著者 : 條
「ようこそ、婚約者殿」そう言って恵茉を迎えたのは、狐面で顔を隠した青年だったーー。 祖父を亡くした恵茉は、言いつけに従い訪れた代官山の屋敷で、律と出会う。彼は婚約者であると同時に、祖父が菓子を納めていた店の主でもあるというのだが。 (菓子店ではなく、画廊を経営?) 律の画廊には、怪奇現象を起こす絵の相談が寄せられる。それを解決する菓子作りの力が、祖父から恵茉へ継がれているようで……。 心の傷と、秘密を抱え、絵に込められた思い出を解きほぐす、二人の恋愛ファンタジー。 目次 プロローグ 一・夏の宵待ちとガレット 二・恋する画家と二枚の絵 三・縁を結ぶ萩と牡丹 四・ゆびさき宿りの娘と蘇る絵 五・ゆびさき宿りの娘と顔の見えない旦那様 エピローグ あとがき
男爵令嬢ナターリヤが若き侯爵ライオネルと結婚して以来、夫が領地に戻らず早四年。屋敷の片隅に追いやられている彼女は、意気消沈しているかと思いきや、案外、日陰者暮らしを満喫していた。ところが、剣聖となった夫が帰ってきたことで状況は一変!いきなり夫から優しくされる日々に、ナターリヤは困惑するばかりで…。一方ライオネルは、あらゆる条件をのみ込み、やっと手に入れた妻からの信頼度が使用人以下だと知り、想いを伝えようと奮闘するけれどー。噛み合わない夫婦のすれ違い結婚ラブファンタジー!
婚約者のラウルに婚約破棄を言い渡された夜に絶望し、自ら命を絶ったアウレリア。しかし目が覚めると十歳に戻っていた!?今度こそ彼に愛されようと努力を重ねること三回。そこでアウレリアはようやく「彼が私を愛することはない」と気づいた。四度目の人生こそ好きに生きようと「まずは彼との婚約回避!」と別の相手を探す決意をするのだが…。そうして見つけたのは、かつて何度もやり直した人生で遊び人と嫌っていた騎士・ユーリスで!?
伯爵令嬢のフィオナは、実家の財政難のため、豪商の放蕩息子と結婚することに。ところが婚約話は白紙に戻され、新たにローズブレイド公爵との縁談が持ち上がる。好条件の結婚と思っていたら、そこにはいろいろな事情や思惑があるようでー?「旦那様には謎がいっぱい?条件つきの政略結婚だけど、私は私の幸せをつかんでみせます!」伯爵令嬢とクールだと思っていたら実は…な公爵閣下の政略結婚×溺愛ラブ★アイリスNEOファンタジー大賞銀賞受賞作を大幅加筆書き下ろし収録!
妹であるルージュの策略により、王子との婚約を破棄されたロベリア。ドラゴンであるナギとともに乳母のベガが残した秘密の庭で暮らすことに。近くの街に住むヴィーグル兄妹や動物たちとともにお菓子作りや庭の手入れに励んでいたが、ルージュの新たな企みによって、秘密の庭での生活が脅かされることに…ベガが残してくれた知識で危機を乗り越え、のんびりした生活を再開するロベリアだったが、たまたま訪れた街で聖女伝説の謎とベガの秘密が明らかにー!?悠々自適なスローライフ第二弾!
立派な医師だった母に憧れる姫君・小春は、ついに努力が報われ典薬寮で働けることに。しかしある日、亡き母が人を傷付ける呪術を使う“呪禁師”の顔を持ち、自分もその力を受け継いでいるという衝撃の事実を知ってしまう。この身に宿るのは呪いの力ーそれでも人を救いたい。だが決意を胸に呪禁を調べる小春の前に母と呪禁について知る青年・冬次が現れ、「呪禁に関わるな」と忠告され!?第18回小説大賞・奨励賞受賞作!
百年をかけ一つの国を滅ぼした死の王。芽吹きの国の塔の姫イベリスは、その進行を止めるため雪に閉ざされた冬の王国を訪れた。しかし、早々に侍女とはぐれて遭難し、骸骨姿の化け物に拾われてしまう。生け贄として彼に美味しく食べてもらおうとするけれど…。「私を召し上がってください。食べ頃です!」「さっさと出ていけ」骸骨王と奇妙な共同生活をはじめたイベリスは、やがて「冬の王国」の閉ざされた過去へと迷い込んで…?呪い持ちの引きこもり姫と骸骨王のラブファンタジー!