著者 : 椎名蓮月
あやかしのお医者さんの弟子として、晴と嵐の双子のもとへバイト通いを続けている莉莉。ある日珍しく客が訪れたと思ったら、なんと双子の祖父・高瀬忠彦で、しかも傍らに連れた引っ込み思案の少年・ミサを、自分の息子だと告げた。突然の隠し子の登場に面食らう晴。当の忠彦とミサは人を探しているとのことで、双子の事務所に居着くことになる。いっぽう莉莉は、知己の烏天狗サクヤに頼まれ、怪我をした飯綱と対面する。傷を治そうとするのだが、癒やしの力が何故かふだん通り発揮されなくて…?
あやかしのお医者さんである双子・晴と嵐と、弟子の莉莉。彼女は、仔猫の姿で戻ってきたリヒトとともに、双子の事務所に通う穏やかな日々を過ごしていた。大学に進学した莉莉は、ひどい寝不足に悩まされる青年・御影浩輔と出会う。彼の家は以前、あやかしにまつわる悩みをある婦人に打ち明け、助けられたという。しかし、解決したはずの悩みー祖父の遺品である小夜啼鳥のオルゴールの唄声が失われる現象がふたたび起こっていた。莉莉と双子は、付喪神が関係していると気づいて…?
両親の海外赴任で、中学生の七尾ちあきは獣医の兄とふたり暮らしを始めることになった。その住まいに謎の男たち・猫宮十九朗と常葉が訪れたとき、異変は起こる。彼らの探していた、十二のあやかしが宿る札の封印が解けてしまったのだ。力を失っていたあやかしたちはちあきの兄の生命を盗み、街中に散ってしまう。死の危険が迫った兄に、十九朗は自らの命の半分を貸すと決断する。その代わり、ちあきに「札のかりそめの主」となり、あやかしと兄の魂を集めるよう要求しー?
大学生の結維は、半妖の青年・小太郎とともに願いを叶えるため「九つの功徳」を積んでいる。春休み、結維は電車の中でぬいぐるみに話しかける不思議な少年・灯と出会う。彼は小太郎の持つ功徳の札を探し求めて来たのだ。札は譲れないと断るが、灯は己の願いのため、しばらくこの地に滞在するという。一方で、強力な術者である灯の影響を受け、土地神の玻璃を「縁の糸」で縛っていた天守閣のあやかしが目覚めてしまいー?しっかり者の大学生と狼青年の、現代ご縁結びお伽草子、第3巻!
【莉莉と暮らす猫又・リヒトと“最初の主”の縁がいまだ繋がっているとわかり、異変がーー?】 あやかしのお医者さんである双子・晴と嵐と、弟子の莉莉。 季節外れの雪という異変を解決した夏も終わり、莉莉の高校卒業が近づく季節。双子の事務所に、莉莉のクラスメイトの村沢から「夜な夜な現れる死んだ猫の霊」にまつわる相談が持ち込まれた。 莉莉は、村沢と死んだ猫の霊のために心を砕く。この出来事をきっかけに、しだいに莉莉と暮らす猫又・リヒトの過去が明らかになって……。莉莉にリヒトを遺してくれた祖母、そして、リヒトの最初の主との繋がりとはーー? 大人気、あやかしシリーズ第7巻!
大学生の結維は、半妖の青年・小太郎と願いを叶えるため「九つの功徳」を積むことになった。年明け、大学の友人と訪れた縁結びの神社で、結維は美しい姫神みやめを助ける。彼女の指先からのびた“縁の糸”がもつれ、鳥居に頼んでいたところを手助けしたのだ。どことなく憂いをたたえたみやめ。実は彼女は結維の亡き曾祖父と面識がありー。同時期、小太郎を訪ねて現れた“あやかし”も、みやめの神社と縁があるようで…?しっかり者の大学生と狼青年の、現代ご縁結びお伽草子、第2弾!
一人暮らしを始めた大学生の結維は、行き倒れの青年・小太郎と出会う。彼はなにか事情を抱えた様子でー「この家に嫁入りに来た」って!?さらには小太郎の影響で、結維まで“あやかし”がみえるようになってしまい困惑する。どうやら、結維が穏やかに暮らすためにも、小太郎が目的を遂げるためにも、あやかし達の悩みをほどいて“功徳”を積む必要があるようで…。しっかり者の大学生と、秘密を抱えた青年の、現代ご縁結びお伽草子のはじまりはじまり。
【季節外れの雪を目にした莉莉は凍傷を負ったあやかしを癒し……?】 あやかしのお医者さんである双子・晴と嵐と、弟子の莉莉。 彼女は双子とともにあやかしを消そうとする術者・吉野と対峙した。莉莉は危険に晒されながらも、無事に街のあやかし達を救い、吉野をも彼自身の憎しみから解放できた。 平穏が戻った初夏。莉莉は季節外れの雪を見る。直後に行き倒れていた木霊・つづらに出会うが、彼女は夏にもかかわらず手酷い凍傷を負っていた。治療のため彼女に触れると、現れた“療符”によってつづらが莉莉の亡き祖母と面識があるとわかりーー?
あやかしのお医者さんである双子・晴と嵐と、弟子の莉莉。彼女は双子とともに傷ついたあやかしを癒す中で、全てのあやかしを消そうとする術者・吉野と対峙する。彼こそが、晴が長年捜し、止めようとしていた相手だった。吉野は、あやかしのために命を落とした相棒・九重の死に強い嘆きを抱いていた。莉莉は彼を止める鍵となる幽霊と出会い、吉野があやかしへの“呪い”を街にまき散らそうとしていると知る。双子とともに吉野を見つけ出すが、止めようとした莉莉の身に危険が及びー。
あやかしのお医者さんである双子・晴と嵐と、弟子の莉莉。彼女は双子とともに傷ついたあやかしを癒しながら、弱い者を放っておけない二人の人柄を知っていった。進級する春、莉莉は古物展示会の手伝いで妖刀の付喪神・兼光と出会う。彼は人の役に立ちたいと願いながらも、昔、殺生を望まぬ持ち主に封印されていた刀だった。兼光はあやかしがみえる莉莉に、自分を役立てて欲しいと願う。しかしそのとき、突然見知らぬ術者が現れて兼光を攻撃する。あやかしは全て消えるべき有害な存在だと断定する術者に、莉莉はー?
あやかしのお医者さんである双子、晴と嵐と、弟子入りした莉莉。彼らとともに傷ついたあやかしを癒すなかで、弱い者を放ってはおけない二人の人柄を知っていく。 年明け、莉莉が出会ったのは助けを求める小学生。その子は弱りきった白いカラスを抱きしめ、救ってくれと懇願する。カラスはあやかしで、本来は人の姿にもなれるというが、今は力なく死さえ覚悟していた。双子と莉莉が診ていくと、実は人間からの呪いのためと分かる。そして呪いの影響は、あやかしと深い縁を結んだ小学生にまで及びはじめていてーー? 其の一 烏天狗と金平糖 其の二 白い妖狐と押しかけ弟子
傷ついた“あやかし”を癒すため、不思議な“お医者さん”の双子・晴と嵐に弟子入りした莉莉。日常に潜むあやかしに気づくようになった彼女は、訪れた図書館で、本から文字が消えるという奇妙な出来事に遭遇し……?
肝試しを境に居なくなってしまった弟を捜すため、速水莉莉は不思議な事件を解くという噂を頼ってある雑居ビルへやって来た。彼女を迎えたのは双子の兄弟。不機嫌な兄の桜木晴と、弟の嵐は陽気だけれど幽霊で……!?
あやかしの箱の封を解いてから、九十九家兄妹に寄り添ってきた2体のあやかしがいる。尊大な白蛇の雷電と、あかねに付き従う妖狐の風牙。あかねにとって、そんな彼らと過ごす日々は、まるで当たり前のことになっていた。やがて中学生最後の夏が近づくころ。あかねは白い女神たちや、傷ついた狐のあやかしと出会う。それは雷電や風牙を迎え入れることを望む、彼らの本当の家族たちだった。訪れる別れの時を前に、兄たちとあかねの決断はー?五人の兄と妹と、あやかしが暮らす家族の物語。
亡き父からの手紙に端を発した一連のあやかし事情ーあかねを迎えに来るという“あやかしの許嫁”天邪鬼の縺れた絆をほどいた九十九家の兄妹たち。五人の兄の不思議な力は失われたものの、元の穏やかな日々が戻っていた。やがて春も過ぎた頃。近所で暮らすあやかし達から、気になる情報がもたらされる。大神のあやかしを従えた謎の人物が、かつてあかねたちが封印を解いた“あやかしを封じる箱”を求め、各地の社を訪ね回っているそうで…?あやかしと共にあるもう一つの家族の形に、兄妹たちは触れていく。
あかねと五人の兄たちが、管狐の事件を収めてから少し後。あかねは自分も“あやかし回収”の役に立てるよう、郷土資料に手がかりを求め図書館を訪れていた。古びた資料室を探すうち、やがて見つけた一冊の本。綴られていた人身御供の物語に、あかねは九十九家と“あやかしの許嫁”をめぐる事情との奇妙な重なりを感じる。ところがその一方で、図書館を案内してくれた兄の友人にあやかしの気配を察知。回収へと赴くことにするのだが…。やがてあかねたちは、人とあやかしを結ぶ数々の絆と出会う。
両親を早くに亡くしたあかねには五人の兄がいる。大黒柱の長男と、やんちゃな次男に寡黙な三男、心優しい四男と毒舌な五男、六人で一緒に平穏な日々を送っていた。ところがその生活は、家に伝わる蔵を兄妹で訪れた際に一変する。蔵で見つけた不思議な箱を開け、封じられていた人外の存在“あやかし”を街へ解き放ってしまったのだ!やがてご近所から聞こえてくる怪奇の噂。退魔のイロハはないものの、事態を収めるため兄妹はあやかしの回収に乗り出す!!そして出会ったのは、狐の尻尾を持つ泣き顔の少年で…?
久遠明が身を寄せる、あやかし事件の集う店・遠鳴堂に、珍しく表の仕事の古書修禅依頼が舞い込んだ。その客は叔父・倫太郎のかつての相棒・志野。彼女と思い出を語る倫太郎に、明はなぜかやきもきしつつ、志野が持ち込んだ本に眠る想いを知ろうと鳴弦の力を使う。その行為が、明の両親と倫太郎にまつわる、悲劇的な過去を紐解く引鉄になるとも知らずに。真実を知り動揺する明。その時倫太郎は、ひとつの決断を下す。「-さようなら、明さん」遠鳴堂の住人たちの絆の行く末は、果たしてー?
あやかし事件が集う店・遠鳴堂。そこで暮らすことになった明は、怪異に近づくことで自身に眠る退魔の力を目覚めさせつつあった。そんな彼のもとに、今度はなんと幽霊からの頼み事が舞い込む。現世に残してきた家族に思いを伝えたいという幽霊の願い。それを聞き届けようとする明に、彼の身を案じる叔父・倫太郎は、深く関わらないよう説くのだが、「それでも僕にできることがあるならー助けたいです」式神の多聞をお目付け役に、明は生者と死者が織りなす思いの渦中へと赴いていくー。
悪しき霊を討つ者・鳴弦師の母を亡くしてから数ヶ月ー久遠明は、かつて鳴弦師だった叔父の倫太郎と、その式神で猫の多聞が営む古書修繕店・遠鳴堂に身を寄せていた。退魔の力は持たないが、霊を視ることが出来る明は、転校早々クラスの少女・望月の背中に黒いものー雑霊の存在を視てしまう。合唱コンクールでの晴れ舞台を前に、霊の仕業で度々危険にさらされる望月を救うため、明は怪異の調査に乗り出すことに。遠鳴堂のもう一つの顔、あやかし事件が集う店の住人としてー。