著者 : 武葉コウ
各国の諜報機関に知れ渡る伝説的スパイ〈蜃気楼〉は、影の戦争に終止符を打つ重要任務で仲間を逃がすため、死亡した。 二年後。 作戦失敗の責を取らされ、敵国である帝国スパイ養成機関〈クリプトス〉に潜入任務中の仲間の少女たちのもとにエドガー・フランクが唯一人の男子生徒として現れる。 銃弾を避ける動体視力、卓越した射撃能力、盗聴、変装etc.全てを兼ね備えた彼こそ、死んだはずの〈蜃気楼〉だった。 変装科。尋問科。潜入科。戦闘科。狙撃科。電子支援科。装備開発科に所属する元部下の少女たちは、正体を隠し救いにきたエドガーを全力で排除しようとしてきて敵対することに!?
世界を延命させる人柱となるべくして生まれた存在ーゴスペル。天秤にかけられた世界の崩壊と、ほのみ。世界の真実を知った橙矢たちの前に現れたひとりの救世主。「橙矢ちゃんは、全部、私に任せておけばいいんですー」風峰橙矢の最愛の姉、風峰ハル。世界の運命をひとりで背負い、すべての残留体を滅ぼうため動き始めた彼女は、かつての橙矢の姿と似ていてー。世界崩壊のカウントダウンが迫る中、ハルを止めるため、橙矢が下した決断は「力をー貸してください」もうひとりで背負う必要はない。自分には仲間がいるのだから。少年と世界の「再生」のラストエピソード!
世界に宣戦布告を果たしたレーシュ率いる潜水都市『雨燕』。彼に対抗するため橙矢たち『特査』の面々は『鶺鴒』の代表として北半球最大の潜水都市『羽衣』に接触する。「-特別派遣調査室は、解散させる」美陽の父、特立研究機構現総裁から突きつけられる厳しい現実。解散を撤回させるため、選抜試験で力を示すことになるのだが…。「なんで引けないんだよっ!?」銃口の向ける先を見失い、葛藤する橙矢。「-お久しぶりですね」再会するもう一人の少年。そして新たな残留体の出現。「僕は、君と戦うよ」少年が決意した先にあるものとはー。
南鶺鴒第二学園での失踪事件、残留体による襲撃が収束を迎え、幕引き役となった風峰橙矢が『再生』した日常。『明日…デート、しない?』つばさとの約束。「…ウチに、来てくれない?」リノンの新しい一面。「-うわぁ、海だぁっ」ほのみの無邪気な笑顔。騒がしくも、どれもが橙矢にとってかけがえのないもので、楽しんでいいと思っていた。「大切なものなんて、あっという間に失いますよ?」外国からやってきた少年、レーシュが一振りの剣で『再生』したはずの世界を『還元』するまではー。「レーシュ。僕は、お前を殺しにきた」少年は撃つための銃を再び手にする!
未曾有の大災害によって大陸は海に沈み、人類は潜水都市で暮らすことを余儀なくされた世界。冬休み明け、ほのみの学園入学により残留体を駆る少年、風峰橙矢は遠ざけていた日常を取り戻す。クラスメイトたちと過ごす当たり前だけど新鮮な学園生活。けれどもそれは思考昇華適性試験を行った学生の相次ぐ失踪事件であっけなく崩壊した。特例捜査局の少女リノン・クリスベルと事件を調査することになった橙矢たちだが…。第24回ファンタジア大賞“大賞”受賞作。