著者 : 水城水城
雨で部活の練習が早めに終わった栗本詩暮は、忘れ物を取りに戻った視聴覚室で、一人の女子生徒・雨森潤奈と出会う。読書や音楽の好みが合致した二人は、互いの時間が重なる雨の日の放課後限定で会うようになり、密かな交流を始める。 「詩暮っていう名前、好き」 「私は独りが好きで、無駄な他人と関わりたくはないけど……詩暮なら、いい」 じめっとした雨の日にだけ会える潤奈は無表情でドライだが、やたらと距離感が近く、甘えたがりな女の子。 さらにある晴れた日、潤奈の「秘密」を知ってしまったことで、詩暮に対する潤奈の距離は吐息がかかるほどにまで近づき、深すぎる愛情がだだ漏れになっていくーー。
既に終わってしまった世界、エンドベイルー。人が魔族に敗北したこの世界では、異世界から人間を召喚しては無残に殺戮されるデスゲームが日々、繰り広げられていた。そして今回も現代から何も知らない人々が集められたのだが、そのなかに偶然、紛れ込んだ一つの異分子ー「俺が今この瞬間に、運営者であるお前を殺したら、ゲームは終わるのか?」かつては裏社会で“調整者”と呼ばれていた高校生、凪平凌真。社会の均衡を保つための存在、危険因子の抹殺、殺し屋専門の殺し屋だった彼は状況を理解し密かに微笑む。「少しは愉しむことができそうだ」決して覆るはずのなかった人類と魔族の力関係は、やがて崩れ始めるー。
世界最大のグレイルラント大陸には、全土の地下層に広がり深層の全容が未だに解明されていない大迷窟がある。とある刑務所で起きた暴動が原因でその大迷窟に三百人もの罪人が放たれて二ヶ月が経った。かつて自分以外の仲間を全滅させながらも大迷窟の三十層を超える地下から生還した探窟者、ウィル・ロウエン。引退した彼が酒場で偶然訊いたのは蜘蛛の下半身を持つ魔獣の噂。自分のパーティを全滅させた仇が生きていることを知ったウィルは様々な大罪人の跋扈する巣窟と化したグレイルラント大迷窟に再び挑む!! 殺人鬼、処刑人、監察官、探窟者。それぞれの思惑が入り乱れ、血湧き肉躍る狂乱のパーティーへようこそーー
「あなたは七日後、刺し殺されてしまいます」“死神”と名乗る美しくも不気味な少女・供花は、そう告げた。それでも、大した目標もなく生きてきた俺は、普段と変わらない生活を送って人生を終えるつもりだった。けれど、俺の最期を見届けようとする供花と共に過ごす内に、彼女に対する特別な感情を覚えるように。そして初めて「幸せ」を感じた頃には、無情にも最期の瞬間が近づいていてー。達観した青年と無感情な少女の最期を綴る切なくも温かい恋愛物語。
新しい住人、シイガの師匠ロカを迎えた魔王城は、今日も鼻腔をくすぐる料理の香りで溢れていた。そんなある日の夜、シイガは夢の中で女神クリエと出会い、"究極の食材"が待つダンジョンの存在を知らされる。当然やる気に溢れるシイガと、ロカ、グレイス、そして魔王ルイーナの最強パーティは、その魔窟を易々と攻略していくが、到達した『5001 女神』という表札の掛かった部屋で彼らが目にしたものは……!? 世界と料理の謎に迫る、緊張の第3巻!
シイガが魔王ルイーナを料理によって手懐け、安寧を得た魔王城。そこに届いたのは、一通の招待状。各国の代表が腕を競う“国際料理コンクール”の審査員にルイーナが選ばれたのだ。特別枠として大会に参加するシイガも闘志に燃えるが、実は大会の裏で、絶大な力を誇る魔王を美食で懐柔し、自国の戦力にせんとする各国の謀略がうごめいていた!そしてルイーナを超える最大の敵の正体はー!?最強の料理人によるグルメファンタジー、激変の第2弾!
黒竜を倒したことで魔王ルイーナに捕まった流浪の料理人シイガ。だが彼の作る「黒竜のロースト」を気に入った魔王は言い放つ「我のものになれ料理人!」こうして断っても死、不味いものを作っても死、という制約のなか彼女のために料理を作る日々が始まった!さらにシイガは魔王に反発する魔族を次々に料理で篭絡する一方、勇者とも共闘するほどの仲になってしまいー。戦力でも料理でも魔王軍最強となった料理人によるグルメファンタジー、開幕!
血を提供するカフェ・ノクターン。店主のアナスタシアは美少女だが傲岸不遜な吸血鬼で、訪れる客も癖のある吸血鬼ばかり。そして店主にも客にも振り回される従業員・青井優夜はーー人間だった。それでも優夜は、人間と共存を望む吸血鬼達と楽しい夜を過ごしていた。そんなある日。優夜の通う高校で発生した“吸血鬼に襲われる”事件が優夜とアナスタシアの因縁を呼び起こすのだが……。心優しき吸血鬼と歪な願いを抱えた少年が織りなすダークファンタジー!