著者 : 水野麻里
クラスメイトの須賀君と、ロスト・ヴァージンの相手・貢。十七歳の美保子がつき合っている男の子たちだ。須賀君はとても大切にしてくれるけれど、なにか物足りない。貢は気持ちが見えないけれど、別れられない。ヴァージンを捨てれば子供を卒業できる、恋ができると思っていたのに…。大人になること、恋をすることの本当の意味を問う、美保子の自分探し物語。
「彼に似ている」教師生活の第一日目、山崎勇気を見た瞬間、森山碧は思った。以来、勇気の表情、言葉のひとつひとつにドキドキする碧。心に芽生えた特別な想いは、別れた彼、守と再交際を始めても、同僚の鴨下英樹にとがめられても、消えない。しかし、勇気には真剣につきあっている女の子がいた。碧はショックを隠せないが、勇気が体に深刻な問題を抱えていると知って…。ピュアな想いが胸を打つ、女教師の感動物語。
セックスから愛が生まれると錯覚していた真奈美。本当に愛することを知らないうちに、愛を諦めてしまった千加。そして、愛し方も愛され方も知らなくて、セックスでしか気持を表せない純。『LIFE』という喫茶店が3人を結びつけ、思いがけない事件を生む…。シンプル・レイプ-顔見知りによるレイプ-は、男の犯罪?女にも問題があるのか。男と女の関係を強烈に問いかける問題作。
切なすぎる夜をいったいいくつ数えたら、人は大人になれるのだろう?高校3年、運命の土曜日。朝子が高岡燿二と出会ったその日が、恋の始まりだった。その恋の最初の問題は、朝子の親友、美紀も、彼が好きだということ。そして、燿二の気持ち、病気の母親のこと-。さまざまなことが朝子の恋を揺り動かし、そのたびに、眠れない夜を過ごす…。恋する喜びと苦しみを鮮やかに描く純愛物語。
和美は「東京に行きさえすれば、なんとかなる」と思っていた。歩も同じだった。田舎を飛び出し、都会の暮らしを手に入れた2人。あとは“東京出身の恋人”さえいれば、完璧だった。そんな似たもの同士の和美と歩が知り合って、思わずお互いに嘘をついてします。2人とも理想の恋人を失うのが怖くて、嘘を重ねていくが、ある日とうとう…。東京への憧れ・夢・幻想がひき起こす悲劇。
「そろそろ俺たち、結婚式のこと考えてもいいんじゃないかな?」美登里、25歳。夢にまでみた良夫からのプロポーズだったが、素直に喜べない。そんな美登里のためらいを、女友達は信じられないらしい。「だって彼は優しいじゃない。」優しければいいの?美登里は一年前までつき合っていた北村のことを思い出す。彼は優しすぎるほど優しかった。けれど…。男の本当の優しさを考える恋愛問題作。
私はとにかく、結婚したかった。しかも、できるだけ理想の相手と、理想の結婚を。幼なじみの誠兄ちゃん。医者の卵の雅彦。会社で人気NO.1の中嶋さん。高卒だけど、将来は社長の直也。つきあった人それぞれを、“相手”にあてはめてみたけれど…。でも、結婚の目的って。なぜ私は、結婚したいの?答えはいつもでない。だいたい、理想の結婚なんてあるのかしら…。すべての女の子に結婚の意味を問う問題作。
“守ってあげたくなるほど可愛い女の子”の柳原真由子。“しっかり者の優等生”桜木可奈。正反対の2人は仲のいい親友同士だった。少なくとも、可奈が、同級生の山崎充に告白されるまでは…。4年後、社会人となって再会した3人。可奈は充と再びつき合いだし、結婚を考えている。充は、高校時代とガラッと雰囲気を変えた真由子に関心を持ち、真由子は…。女友達の微妙な関係をドラマティックに描く。
純子のロスト・ヴァージンは、高校3年のクリスマス・イヴ。それから、敏彦、カズ、雄二、テレクラで知りあったおじさん…。いろいろな男の人と付き合ってはいるけれど、ずっと、セカンド・ヴァージンのまま。「どうしてだろう?」と思い悩む純子。純子のロスト・セカンド・ヴァージンは…。恋愛とセックスの微妙なバランスと、そのあいだで揺れ動く気持ちを描いた問題作。
降り注ぐ蝉しぐれ。蘇る正の影…。25歳の理沙は、ディレクターになって三年がたっていた。二度目の大学生活を送る良と、一緒に暮らしている。最近、理沙はよくわからないことがあった。良のことは好き。愛しているはず。なのに、忘れたいはずの田舎でのこと、そして、正のことを思い出してしまうのは、なぜ?本当に好きなのは、好きだったのは、誰?恋に恋することの危うさを、鮮烈に描く。
“好きだから”セックスするの?そうじゃなくてもできる?早波にはよくわからなかった。伸樹との初体験は、高校生の時。彼のことは好きだったと思うけれど、好奇心のほうが勝っていたような気がする。大学生になってから付き合った人とは、“なんとなく”だった。そんな時、別れた伸樹から「会いたい」という電話が入り、久しぶりに再会して…。恋愛とセックスのバランスを問う問題作。
未散と秀と裕。三人は、三年前から一緒に暮らしていた。世間の常識にとらわれない、束縛しあわない、女一人と男二人の生活。自由で、気持ちのいい関係だったが、未散にお見合い話が持ちあがったのをきっかけに、三人の関係が微妙に揺れ始める…。結婚が本当に女の幸せなの?女の幸せって?未散は思い悩み、そして三人は…。“結婚”の本当の意味を考える恋愛問題作。
そっくりな外見。でも性格は正反対-。双子の花絵と絵芽は、幼なじみの恵介が好きだった。花絵は、恵介への恋のもどかしさを他の男と付き合うことでまぎらわし、絵芽は、いたずら電話で知り合ったテルにだけ恵介のことを打ち明けて、ひそかに恋をしている。微妙な三角形のバランスが、ある日、崩れた。圭介が好きなのは花絵?それとも絵芽?繊細すぎて反発しあう双子の運命は…。「幸福とは何か?」という大テーマに挑んだ力作。