著者 : 汐見舜一
愛之助(推定2歳・雄)の考察 その恋は猫の手も借りたい愛之助(推定2歳・雄)の考察 その恋は猫の手も借りたい
ぼくの名前は愛之助。背中のハート柄が自慢のオス猫だ。ゴールデンレトリバーのルーイと共に、千尋というとってもキュートな人間のメスと暮らしている。ぼくらの目下の心配事は、ご主人さまである千尋の彼氏問題。なにかとオス運のない千尋に、最近気になるオスができたみたいなんだけど…はたして愛する千尋を託すに値する人間なのか。「つまり、君の出番です。愛之助」「やれやれ、しかたないなぁ」人間ってやつは猫の手を借りたがるものだ。恋だって同じさ。ぼくが晃ってやつを見極めてやる!
ひよっこ家族の朝ごはん お父さんとアサリのうどんひよっこ家族の朝ごはん お父さんとアサリのうどん
バイト暮らしのしがない小説家の皐月が、毎朝慣れない朝食づくりを頑張るのには、理由がある。兄が遺したちょっとおしゃまな一人娘ミチルと一緒に暮らすようになったから。朝食を一緒に食べると約束したから。しかし、皐月は兄が死んだことをいまだにミチルに伝えられないでいた。ミチルを悲しませたくない気持ちから、皐月は思わず好き嫌いを克服したら兄が帰ってくると嘘をついてしまいー。納豆トースト、にんじんケーキ、きのこたっぷりカレー…。朝ごはんでつながる、半熟家族物語。
トリプルエーストリプルエース
「オレの代わりにインターハイを目指してほしい」卒業アルバムに現れた、覚えのない寄せ書き。去年死んだ親友・西之園夕からのメッセージだと信じて疑わない東風は、かつて夕とダブルスを組んでいた夏目に声を掛ける。しかし彼はもうテニスをやめていて…。親友の願いを叶えたいと誘う東風を、夏目は冷たく突き放す。「西之園の思いを尊重したからこそ、やめたんだ。西之園は殺されたのさ。この僕にね」あの夏、それぞれが掴み損ねた夢。あの夏の夢のつづきを、もう一度はじめるんだー。
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