著者 : 河合ゆうみ
安土桃山の終わりごろ、京の都に美しい少年舞い人が現れる。彼の名は白火。京に上ってきたばかりの田舎の能一座の看板役者で、卓越した優美な舞いは瞬く間に噂になった。それを聞いた京随一の一座、柚木座の若太夫の蒼馬は白火に引き抜きの話を持ちかける。けれど白火はかたくなに拒否をした。実は白火は女の子。弱小一座を支えるため、幼少のころより女人禁制の能舞台に立っていたのだー。「お前、舞いが好きか?」華やかな京の都で織りなされる能楽恋絵巻の幕が開く。
小さい頃からアクセサリーが大好きで、憧れの老舗宝飾店の販売員は天職だった。今朝までは…。金属アレルギーを発症し突然失業した天。さらに「本命彼女と結婚します」という書き置きとともに彼氏に貴重品を持ち逃げされる。やけ酒を飲んで気がつけば、初対面の男性の会社に転職することになっていた。職場は青山の外れの瀟洒な一軒家。知る人ぞ知るオーダージュエリーのお店だという。天は唯一の接客係として、お客様たちの大切な記念日に関わっていくー日常が豊かに輝く、ジュエリーをめぐるお仕事物語。
大好きだった祖父が亡くなり、杏南は遺された屋敷を整理していた。生前は入ることが禁じられていた“開かずの間”を開くと、中にいたのは美少年のぬらりひょん!さらにしゃべるしゃれこうべも出てきて、聞けば祖父は「もののけの医師」として、人外たちに慕われていたらしい。傷ついた烏天狗を拾ったことがきっかけで、杏南も祖父の手記を見ながら、もののけの医師をはじめる。けれど烏天狗は「人間の手助けなど必要ない」と杏南の手当てを拒絶して…!?トラブルだらけのもののけの医師、本日開店!
経験ゼロ! だけど舞台に人一倍憧れる一花は、高校入学後向かった演劇部入部テストでクラスメイトの岸川の殺陣を目撃する。かっこよさに魅入る一花だったけど、部に素人は必要ないと入部拒否をされてしまって……?
「美しい女は、怒っている表情も良い風情だ」その身と引き替えに無理難題。“なよ竹の白拍子”の渾名で人気急上昇の咲染御前。実は彼女の正体は、都を騒がす義賊・風子の一員“葉桜”。兵部卿宮・紅迅に姿を見られてしまい、放蕩皇子でうつけと噂の彼は、本性をあらわにし怜悧に葉桜を追い詰める。正体を隠し咲染御前として座敷に上がった葉桜だけど、強引に彼の邸に囚われて!?正体がバレたら死罪ー禁忌の二人の恋物語!!
「あれは俺のものだ。他のやつになど渡すものか…!」妖を祓う唯一の能力を覚醒させた平凡女子高生・白咲日菜だが、制御できない“香り”に群がる妖たちに狙われる日々を送っていた。そんな彼女を守るため超俺様な守護役・風雅が日菜とひとつ屋根の下、能力を完全に操る修行生活を強行する。しかし一向に成果は上がらず。更にその原因は風雅への恋心だとされ、二人は契約を解かれることになり!?学園ダーク・ラブ第2弾!
「この女の守護をしろだと?俺を本気で怒らせるなよー?」全寮制「私立煌陵学園」に転校した白咲日菜は登校初日、超俺様気質の美丈夫・風雅と護衛契約を結ばされてしまう。守護役を強制されキレる風雅だが、その正体は最強と恐れられる妖狐の次期総長だった。おまけに「おまえのカラダは美味そうだ」と強引に口づけられー!?妖を惹きつけてやまない香りを持つ少女と最恐美麗・守護男子の学園ダーク・ラブバトル!
封じてしまおう。この想いすべてー「さようなら。蒼馬さま」戦国の世の狭間。崩壊寸前の柚木座を救うため、帯刀に嫁ぐことを決めた白火。そのために、蒼馬への想いを殺し、舞いへの情熱も押し込める。心を決めた白火だったが、帝・氷見の命により謀反を起こした黒幕として捕縛されてしまった!一方蒼馬は、自分が不在の間、白火が一生懸命柚木座を守っていたと知り…!?桜天女と蒼王の伝説が花開く、能楽恋絵巻これにて終幕。
「ままごと遊びにはうんざりだーあばよ」戦国の世の狭間。柚木座に移籍した白火は、若太夫の蒼馬に求婚される。しかし翌日、蒼馬は白火の心に大きな傷を残して京の都から姿を消した。さらに「蒼馬は鬼と契約した」と噂が流れ、舞台も妨害されて柚木座は崩壊寸前!!蒼馬の代わりに柚木座を守ろうと白火はひとり奔走する。それを聞いた氷の皇子・帯刀と、永観座太夫・井澄はー!?クライマックス直前、能楽恋絵巻第7幕。
「恋だの愛だの、くだらない」ついに幕を開けた、舞い人たちの最高舞台、天覧能。戦国の世の狭間、その大舞台は帝、氷見の勅命で、蒼馬率いる柚木座主催で行われる。その目玉は男装の舞姫白火が書いた新作能『颯佐』。しかし、白火は母を偲んで書いたこの作品を人前で舞いたくない。そう言い出せずに蒼馬と白火の心が離れていく。刻一刻と天覧能の日が近づいてくる中、二人は決定的にすれ違ってしまって!?能楽恋絵巻第6幕。
「舞いたいかーならば、恋を棄てろ。舞いか柚木座か、選べ」戦国の世の狭間。芸人の最高栄誉、天覧能を控えた男装の舞姫、白火と柚木座若太夫の蒼馬。しかし、女人禁制の能舞台で白火が舞うことを、伝統を尊ぶ名門永観座の太夫・井澄は認めない。「能の舞台に女は不要」と言われ、挽回のために舞うも、白火は扇を落とすという大失態を犯す。「金輪際、舞台と名のつくものには上がるな」と告げられて!?大人気、能楽恋絵巻第5幕。
戦国の炎をはらむ、鬼のすみかの大江山。美しき男装の能役者、白火は義賊「土蜘蛛」の頭領、朱鬼の腕を取り戻そうとして、敵にまわった美貌の皇子、帯刀に捕らえられてしまう。そこで出会ったのは鬼討伐を命じた若き帝の氷見だった!「まさか、この頼りないのが土蜘蛛であるまいな?」しかし、可憐な見た目を裏切る白火の強さは、「土蜘蛛」の悲しい運命をも変えていくー恋模様も乱戦中!読者人気No.1の能楽恋絵巻、第4幕。
強引にでもいい。触れて抱きしめて、自分のものにしたいー戦国の世の狭間。行方不明になった能の名門一座の次期太夫、蒼馬を追って、京を発った男装の天才舞姫、白火。潜り込んだ荷馬車の中で眠ってしまった白火は都を騒がす悪党「土蜘蛛」の頭、朱鬼に拾われる。しかし、鬼のすみか、大江山で再会した蒼馬は「ここがどこだかわかってるのか!!」と白火に冷たくて!?第8回ビーンズ小説大賞、読者賞受賞の能楽恋絵巻、第3幕。
「今日からそなたは私のものだ」戦国の火種くすぶる京の都。天才的な能の才を持つ男装の舞姫・白火は名門一座の次期太夫・蒼馬に連れられ嵐山に行くことに。しかし、泉で水浴びをしていた白火は、その姿を美貌の皇子・帯刀に見られてしまう。しかも、彼女を見初めた帯刀は無理矢理白火をさらい、抵抗する白火を「それも一興」と強引に自分のものにしようとしてー!?第8回ビーンズ小説大賞、読者賞受賞の能楽恋絵巻、第2幕。
時は戦国の世の狭間。京の都に美しい能の舞い人、白火が現れる。その噂を知った名門一座の次期太夫、蒼馬は白火を自分の座に引き抜こうとするが、手ひどく断られる。実は白火は女の子。性別を偽り、女人禁制の舞台に立っていたのだ。しかし、蒼馬は白火が女であることを知らずに、彼女に惹かれていってしまいー!?桜降る能舞台で、男装の舞姫の伝説が始まる。第8回ビーンズ小説大賞読者賞受賞の能楽恋絵巻、開演。