著者 : 浅生楽
見習いセラピストの女子大生印旛相模が研修先に派遣された都立精神地理学研究所。しかしそこで彼女が出会ったのは、平将門の幽霊(イケメン)と、所長だと名乗る感情の起伏を見せない少女五月。彼らは悪霊から東京を護っているのだと言う。こんなカルトな人たちとは付き合えないと、早々に研究所をあとにする相模だったが、実は相模は、彼女自身も知らない体質と能力を持っていて…。武蔵野は井の頭池から新宿の神田川、そして下町隅田川へ、東京の街を舞台に繰り広げられる、世直し人情物語。
人生の崖っぷちに立つ落第生・海江田悠里のスマホに、運命の女神が宿った。彼女の名はフォルトゥーナ。悠久の時をわたり、カエサルや信長、ナポレオンらを導いたという。彼女は、「あやつらに比べると、うぬはショボイのう」と呆れながらも、「これも天帝たるユピテルの意思だ。やむをえまい」と、悠里に神託を告げるのだった。そんな彼女にムカっとしながらも、フォルトゥーナの言葉に従い、人生の逆転に挑むことになった悠里だったが…。これは、笑って読めてタメになる、幸福へのテキスト。
蘭芳が大陸に去った後、ついに第一次世界大戦が勃発した。対外硬派の暴発を憂慮する山県有朋の思いもむなしく、日本は参戦への道を歩み始める。己の政治力の喪失を自覚した山県は、モモの身の安全のため、大陸に渡って蘭芳たちと合流することをモモにすすめる。そしてモモが俊介との別れを胸に決めた時、椿山荘に共工の魔の手が忍び寄るー!?日本近代の曲がり角をファンタジックに描く歴史伝奇浪漫、第三弾。
松島との戦いから一か月が過ぎた頃、俊介とモモの前に一人の中国人女性が現れた。彼女の名は宋慶齢ー袁世凱に追われ日本に亡命した革命家孫文の秘書であった。慶齢の手引きで孫文との親交を深めるようになったモモは、孫文と共闘して袁世凱を打倒することを強く望み始める。だがモモのことを案じる俊介は慎重策にこだわり、二人の間には次第に亀裂が生じ始める。一方、満州族の利益のために動き続ける蘭芳は一計を案じ、慶齢にある提案を持ちかけ、孫文と山県の会談を画策するのだがー。
「世界の真実とか、自分が生まれてきた意味とか、そんなことを考えても無駄なだけ」。“二十歳を過ぎた余生”をただ平穏に過ごそうとしていた大学生の森本慧。しかし彼の人生は、ある日突然一変する。世界の知を司る一枚の絵画、400年前に生きた錬金術師達の思念、そして美しき智慧の女神。慧の毎日は、理解しがたい出来事に満ち溢れ、やがで慧自身が、史実の改変を巡る歴史的な事件に関わることに…。これは時空を超えた、新たなボーイ・ミーツ・ガール・ストーリー。