著者 : 滝浪酒利
「ああ、もう〜〜っっ!!甲斐くん、大好きですっ──!!」 ーー時間停止解除。 「? 黒乃さん、どうかした?」「いえ、気のせいでした」 時間停止能力者。最強無敵の異能エージェント。黒髪クールの超絶美少女高校生、黒乃詩亜。 彼女の秘密、それは時間を止めて、片思い中の男子にひそかにデレまくること。 誰にも知られないとやりたい放題の彼女だが、 そんな意中の男子、甲斐郎にも秘密がありーー、 実は彼は時間停止中の出来事をすべて認識していた!※ただし体は動かない。 そんなこととは露知らず、今日もデレまくる黒乃さんにニヤニヤとドキドキ必至! 止まった時間で恋心だけは加速するクロノスラブコメ!ここに開幕!
ライナス=クルーガー。……詐欺師。 浜辺での死闘を経て、彼はクロニカと海の先を目指す。騎士団から逃げるため、そして彼女を救うため。 しかし、突如として現れた新たな刺客が二人の行く手を再び阻む。 そんな二人に差し伸べられた救いの手。 在共和国大使館で2人を迎える巫女・アナヒト。 彼女の善意がもたらすのは、希望の未来の約束か、それともーー。 次々に襲い掛かる敵、未知の脅威、自身の葛藤、そして仲間との再会。悩む時間も与えず運命は動く。 仮面を剥がれてしまった詐欺師と記憶が失われていく少女の旅路に救いはあるのか。 騙し合いと異能のバトルが渦巻く、近代風ファンタジーロードムービー第2弾、開演!
十二年前の革命によって、千年に渡る王と貴族たちの支配は打ち破られた。 舞台はとある大陸の国家、共和国。新時代の風潮と自由の蔓延するこの国に、一人の男がいた。 ライナス=クルーガー。架空の他人を演じる、仮面の詐欺師。 目的はただ一つ。金のため。彼は技術を高め、手口を磨き、実践して反省して改良する。ずっとそうして生きてきた小悪党はある日、一人の少女と出会う。 「あなた、嘘をついているでしょう」 彼女の名はクロニカ。 一人、旅をしているという謎の少女。貴族の血脈がもたらす超常の異能力<貴血因子(レガリア)>。 少女の左眼に宿った能力は、他者の魂(こころ)を見通し、操る魔眼。 クロニカは詐欺師に言った。今まで彼が奪った金、積み上げてきた財産を返してほしければーー自分と一緒に旅をしろと。 そして始まる二人の旅は、平穏無事とは程遠くーー「騎士団」と名乗る謎の組織が、クロニカを狙って襲撃を仕掛けてくる。 二人の前に次々と立ちはだかる、異能を宿した人外の貴族たちの刺客、連続する絶体絶命の中で、クロニカは言った。 ーー海に行きたい。 なぜ、どうして、少女は狙われ、旅をし、海を目指すのか。 何一つ分からないまま、詐欺師は奪われた金を取り戻すため、クロニカとともに海を目指して旅をする。 そうして、とある列車での出会いから始まった二人の旅は、山を越え、街を抜け、運河を渡って海を目指す。 「はじめまして、バカな人」 様々な敵、あるいは味方との出会い。 「私、嬉しくて……これでようやく、あなたと結婚できるんだと思うと……!」 やがて明らかになるクロニカの謎。 そしてライナス自身の過去もまた、仮面の下から蘇りーー。 たどり着いた夕暮れの海岸線に、二人が出会う真実とは。