著者 : 火崎勇
姉と二人きりで森の奥にひっそり暮らす娘アマリアは、ある晩、街で自分を救ってくれた貴族のレオンと恋に落ちてしまう。けれど、彼女の身分ではレオンの妻となることは一生叶わない。さらに、侯爵家の落胤である姉タニアに、唯一の跡取りとして侯爵家に入るよう命が下る。愛する姉についていかなければならないアマリアは、絶望的な状況の中で、自ら望んで彼に抱かれる。愛と快楽をその身に刻み付けて旅立ったアマリアだったが…。幾重にも重なる困難を、二人の愛で越えることはできるー!?
あんなに愛し合っていたのに、私のことを忘れてしまったの?侯爵令嬢ティアーナは、サンザシの下で結婚を誓い、初めて無垢な身体を捧げて別れた、金髪の美しい王弟シルヴィオへの想いが深くなっていた。ところが、いつまで待ってもシルヴィオからの便りはなく、諦めることのできないティアーナは、ついに彼を追う決意をする。王の花嫁選びを名目に王城へ入ることに成功した彼女は、そこでようやくシルヴィオを見つけるも「君だけは、絶対に愛したりはしない」という衝撃の言葉を聞かされて…!?
私には何もないー。戦で家族も領地も奪われた男爵家の娘エリセは、旅の途上でアルベルトとジョシュアと名乗る美しい紳士たちに拾われる。彼女の知性を見抜き興味を示した彼らは、エリセが立派なレディになれるかどうかの戯れの賭けを始める。なけなしのプライドを傷つけられながら貴婦人としての教育を受けることになったエリセ。そんな彼女を厳しく、時に優しく導いてくれるアルベルトに、やがてエリセは甘い想いを抱くようになってしまい…。抜け殻のようだった心が、彼を求める愛で満たされる!!
侯爵令嬢に仕えるアイリスは、望まぬ結婚を強いられた令嬢を救うため、自ら替え玉となって嫁ぎ先の隣国へ向かうことに。けれど、計画はすぐに露見。令嬢の花婿となるはずだった公爵・アルバートは、彼女の料理の腕に興味を持ち、罰することなく雇い入れる。尊大だが心正しいアルバートに惹かれてしまうアイリス。ただの料理人でしかない身分で、彼に恋をすることなど決して許されないのに…。
湖畔の別荘で暮らす母を献身的に支える娘クレア。そこへ本家から兄ローフェンが訪れる。けれど、彼はこの家に娘などいないと主張し、クレアを偽者だと決めつける。クレアを監視するためしばらく滞在することになったローフェン。彼と過ごすうち、妹ではなく一人の女性として彼を愛してしまったことに気付き、クレアは戸惑う。しかも、ローフェンから兄妹としてではない甘く激しいキスをされて…。
第一王子テオドールと婚約した公爵令嬢クリスティナ。だが結婚式の直前、彼は侍女と駆け落ちをしてしまう。体面を保つ、それだけのためにクリスティナは第二王子イザークに嫁ぐことに。容姿も性格もテオドールとは正反対のイザークにクリスティナは戸惑う。けれど、彼なりの優しさや国を思う気持ちを知り、戸惑いは恋に変わってゆく。イザークもまたクリスティナの聡明さを愛するようになるが…。
王子の婚約者に選ばれた幸運な公爵令嬢・ロザリンド。だが、彼が愛していたのはロザリンドの侍女だった。大切な二人を憎むことなどできない。地位を失うかもしれない彼らのために、内密に住まいの購入を決意したロザリンドは、そのさなかに出会った横柄でどこか貴族的な男・エクウスと行きがかり上、行動を共にすることに。最初は反目し合っていたのに、彼に激しく求められると、本物の恋の情熱を初めて知って!?
突如、王位を継ぐことになったクリスティアは、王座を狙う求婚者たちを退けるために、街で出会った黒衣の傭兵・ベルクと形だけの恋人として契約を結ぶ。ところが、恋人同士の芝居の練習と称して、ベルクはクリスティアをからかうように事あるごとにキスをしてくる。その無礼な態度に腹が立たないばかりか、ついときめいてしまうクリスティア。互いを深く求めながら、結ばれることは許されない愛の結末はー!?
亡き母の友人であった皇太后に招かれ、王妃候補として王城に上がることになった公爵令嬢エレオノーラ。けれど、夫となるはずの若き国王・グリンネルは、美しい男の愛人たちを堂々と連れ歩く「愛人王」だった。女性など歯牙にもかけぬ彼の態度に傷つきながら、皇太后に真心こめて仕えるエレオノーラだったが、ある晩寝室にやって来たグリンネルに強引に身体を奪われそうになって…。彼の真意は!?
兄が宝石泥棒の疑いをかけられたことで、王城の嫌われ者となった伯爵令嬢・エリセ。冷たい仕打ちと孤独に毅然として耐えるその姿を、若き国王コルデが見初める。だが、罪人の妹と噂される自分と彼が結ばれることは許されないと自制し、求愛を頑なに拒み続けるエリセに業を煮やしたコルデは、感情のままに荒々しく彼女の身体を奪おうとする。いけないと知りながら、与えられる快楽に溺れるエリセは!?
冷徹な兄クロアと優しい弟フランツ。二人の王子と兄妹のように育った伯爵令嬢メイビスは、突然フランツからプロポーズをされる。けれど、彼の求婚を受け入れたのち、フランツは海難事故に遭い行方不明となってしまう。吉報を待つだけの日々に疲れ、王城を去ろうとしたメイビスに激昂したクロアは、無垢な身体に強引に欲望を刻み…。兄弟の狭間で、乙女の胸はもどかしく揺れ動く!
利発で美しい侯爵令嬢ホリーは、おしのびでやって来た隣国の若き王グレアムと出会い、初めて恋に落ちる。プロポーズ直後に再会を誓う二人の結婚を阻むかのように、ホリーは伯父の屋敷に幽閉されてしまう。強引に彼女を連れ去りにきたグレアムの腕に抱かれ、ホリーは乙女の純潔を捧げる悦びに身を焦がす。けれど、幸せに浸る間もなく野盗に拉致され、貞節の危機にさらされて…。