著者 : 烏羽雨
お互いの今を大切に生きると決めたルシルとフィリスのもとには、日常が戻ってきていた。そんな折、二人の家にフィリスの師匠の遺作が見つかったとの知らせが届く。生前、師匠が生み出した数々の芸術作品には“思念”が宿り、周囲に悪影響を及ぼす危険があるようで……。 「共に行けるか」 状況を探るため、ルシルはフィリスに連れられ、未知なる魔法使いたちの街へ足を踏み入れることになった。飛んで移動する人々、人の手伝いをする動物たちなど、驚きに満ちた光景にルシルは戸惑う。 そんな中、遺作が出品されたというオークション会場に向かう二人は、過去最大のピンチに巻き込まれーー? あなたのことをもっと知りたい。長い時間を生きるフィリスへの切ない願いがあふれる、再就職ファンタジー第四弾!
無口で無愛想な魔法使いフィリスとゆっくり距離を縮めていくルシル。 平和な日常を送っていたある日、二人が暮らす街に、青年・バーレイと彼の祖母・エレーナが引っ越してくる。彼らがこの街に馴染むまで、ルシルは二人を手伝うことに。つんけんしながら美味しいお菓子を作り出すバーレイと、上品そうな外見からは想像もつかない壮大な冒険話を持つエレーナ。ギャップだらけな二人とルシルは、すぐに打ち解けるが……。 「ばあちゃんに仲良くなるなって、言われてる」 二人はなぜか頑なに街の人々と距離を置こうとしていたーー。 ルシルがフィリスと出会って二度目の秋。新たな住人も加わりにぎやかで温かいコートデューの街で、ルシルとフィリスの日々はますます彩りを増していく。お互いを真摯に想い合う異世界再就職ファンタジー第三弾!
無口で無愛想な魔法使いフィリスの屋敷に就職したルシル。彼女は気難しいフィリスとの距離を少しずつ縮め、二人の関係性も大きく変化した。そんなある日、ルシルのもとに実家にいる妹のトルテから一通の手紙が届く。そこには父が骨折したこと、そして畑が大不作に悩まされていることなどがつづられていた。心配になったルシルは、一緒に行くと言い出したフィリスとともに急遽実家に赴く。ルシルの実家は大家族で常ににぎやか。「余計なこと」を心底嫌うはずのフィリスは早々にうんざりするかと思いきや、意外にも馴染んでいるようでー?一方、畑の不作問題には、一筋縄ではいかない何やら不穏な空気が漂っていた。ルシルの周囲はまたもやトラブル続き。屋敷を飛び出しフィリスと二人で自身の家族の問題を乗り越える!ほっこり異世界再就職ファンタジー第二弾、開幕!
三年間住み込みで働いた屋敷を理不尽に追い出されたルシル。彼女は新しい就職先を求めてド田舎にやってきたが、そこで紹介されたのは、無口で無愛想な魔法使いフィリスの屋敷だった。「余計なこと」を心底嫌う、気難しいフィリスの屋敷での仕事は、蓋を開けてみるとルシルにとっては好条件!何としても新しい職場を死守するべく、彼女は「余計なこと」地雷を回避するためにフィリスの観察を始める。そんなフィリスのことを少しずつ知っていくうちに、気難しいだけでない意外な一面に出会い、ルシルの気持ちは徐々に変化していきー。フィリスとの距離が少しずつ縮まる一方、前の屋敷の主がなぜだか自分を捜し回っているらしいと知るルシル。他にもフィリスの周囲では何やら魔法使いたちが騒ぎ始め…!?平穏に暮らしたいのに何かと起こるトラブルを、仕事に対するプライドと持ち前の前向きさで乗り越えながらゆっくりとお互いの想いを育む、ほっこり異世界再就職ファンタジー。
十九世紀、大英帝国ヴィクトリア朝。ウィリアムと仲違いをしてプラントハンター休業中のネイサンは、知人の転地療養に付き添い、レベックを伴って出国した。一方、退屈な日々をひとり紛らわすウィリアムは、ある城でレベックそっくりの肖像画を目にする。その頃、旅の途中でネイサンと別れたレベックは、植物採集をするうちに迷い込んだ山道で“フローラ”と呼ばれた女性から一つの使命を与えられ…?比類なき公爵家のプラントハンターと奇蹟の花々をめぐる物語、ここに終幕!!
十九世紀、大英帝国ヴィクトリア朝。ネイサンがニュージーランドから帰国した時、ロンドンではシダの観賞が大流行していた。『シダ狂い』の間では、幻のシダの花の伝説まで流布する始末。だが、その花が咲く場所を偶然知って見に行ったネイサンは、同行したレベックから、それが悪魔の支配下にあると聞かされる。そしてウィリアムが十年前のある事件を調べた時、この“幻のシダの花”が関係してきたことから…?比類なき公爵家のプラントハンターと奇蹟の花々をめぐる物語、第四弾!!
十九世紀半ば、大英帝国ヴィクトリア朝。王立園芸協会とウィリアムのために中国奥地へと赴いたネイサンは、首尾よく新種の黄薔薇を入手した。採取した植物を香港から送ったものの、ある事情から帰国を遅らせるネイサンをウィリアムはロンドンでやきもきち待つ。一方ハーヴィーと共にパリにいたレベックは、その地で小さなトラブルに巻き込まれていた。それが薔薇を巡るいくつかの事件への発端となり…?比類なき公爵家のプラントハンターと奇蹟の花々をめぐる物語、第三弾!!
病気の祖母に頼まれ神楽坂の菓子店「アデル」を訪れた茅由が出会ったのは、店主を名乗る傍若無人で失礼な男・輝。 がっかりする茅由に彼は、信じられない言葉を告げる。 「魔女の最も大切な能力は、人の悩みを聞く力だ」 なんと輝は、薬菓子と呼ばれるお菓子で人の心を癒やす“魔女”。 でも壊滅的にお菓子作りが下手なせいで、店は潰れる寸前だという。 祖母のため、仕方なく助手として「アデル」で働きはじめた茅由が目にしたのは……? 優しいレシピが人の心をつなぐ、ほっこりハートフルストーリー。
浪人生になってしまった九条篤志。バイト先の珈琲店でおいしい珈琲を淹れることに腐心する日々の中、気がかりが一つあった。それは店の片隅で平日の昼間からランドセルを傍らに珈琲を飲む亜理寿のこと。そんなある日、魔法使いを自称するその少女から篤志はある悩みを打ち明けられー「人を殺してほしいようなことを言われました。断ると今度はわたしが殺されてしまうそうで、少しだけ困っています」。これは小さな魔法使いと若い珈琲係が紡ぐ奇跡の物語。
人類滅亡はもはや秒読みだった。正体不明・宥和不可能な異星人「敵」-。奴らの「月落下作戦」をたったひとりで阻止した、謎の少年がいた。だが、戦いのあと、彼は忽然と姿を消す…。3年後、記憶喪失の少年・神代カイルが都市近郊で保護される。強大な敵の強襲に、カイルは「あらゆる確率を自在に操る能力」を発現させ撃退。しかし、窮地を救った活躍にもかかわらず、彼は存在自体が罪の未成年分隊ー“有罪の子供”に編入されてしまう。
都市伝説としてひそやかに語られる「恩屋」さん。彼に頼めば、どんな願いも無償で叶えてくれるという。恩屋が請求するのは、その恩を忘れないこと。ただそれだけ。仕事に悩むTVディレクター、彼氏が欲しい女子大生、家族を救いたい女の子など、今日もさまざまな悩みを抱えた人が、彼を頼りに扉をたたく…。「畏まりました。恩屋幸太郎、あなたに恩を売らせていただきます」都心の雑居ビルに住まう和装の魔法使いが、訪れる人の心を解きほぐす。
人間の姿をした“おおかみおとこ”に恋をした大学生の花は、やがて“雪”と“雨”という姉弟を授かる。人間とおおかみ両方の顔をもつ“おおかみこども”であることを隠しながら家族はひっそりと幸せに暮らし始めるが、突然“おおかみおとこ”に死が訪れる。残された花は雪と雨とともに、都会を離れて田舎に移り住むことを決意するがー!?細田守監督初の小説がスニーカー文庫版で登場。