著者 : 物草純平
「重力子」を操る特殊なオルゴールと、その粋である人型機械「歌唱人形(オルドール)」が一般化し、ついに「電気離れ」を果たした世界。 “機械しか愛せない”壊れた少年技師・タスクがある日、出会ったのはーー。 「わたしは、ガラテア・シスターズNo.VII/リフレイン。今このときより、貴方の『花嫁』です」 歌唱人形技術、その始まりとなったオーパーツそのものだと主張する、美しき歌唱人形リフレイン。それを巡って事態は動き出す。追う者、追われる者、そして、恋をする者ーー。 “人間に近づきすぎた歌唱人形”と“機械しか愛せない少年”。ヒトでなしの人間と、モノでなしの人形の織りなす恋が、やがて世界を変えてゆくーー!?
始祖勇者と魔王の戦いから幾星霜。いまや全人類に「勇者因子」が行き渡り、人々が洩れなく勇者化した勇者飽和時代。にも拘わらず、自らを「勇者因子を持たない例外」と嘯ぶく少年、草壁ジョウ。重い決意を胸に「勇者の聖地」スプリーヴィルを訪れた彼の世話役になったのは、弱冠十四歳にして現役のプロ勇者“プリマステラ”。なのだが…彼女はなぜか事あるごとにジョウを「お兄ちゃん」呼ばわりするワケありチョロインで!?マギテク万能が降盛を極め、有象も無象も勇者化した近未来的異世界で、迷いを抱えた少年と少女は、それでも真の勇者を目指す!挫折と栄光のブレイヴパンク・ファンタジー!
〈右の剣〉クリザリッドに完膚なき敗北を喫した秋津慧太郎。友人だったはずの少女が敵となった、蟲愛づる魔女アンリ。一族が秘めた真実を知った女騎士クロエ。そして姿を消した詠い手マルティナ。 それぞれに訪れた決定的な挫折の向こうに、少年たちは花の都の崩壊を見る。 パリの空に鎌首をもたげた〈冥王蟲〉を前に慧太郎たちは再び立ち上がり、そして──欧州の大地で二つの“ジゲン”の剣が撃ち合わされるとき、〈蟲〉を宿す少年と〈蟲〉愛づる少女は、遠き楽園(アルマス)への小さく、けれど確かな一歩を刻む。
巨大生物〈蟲〉によって変貌した近代。その左目に〈蟲〉の力を宿し欧羅巴の地に降り立った秋津慧太郎は、蟲愛づる魔女アンリ・ファーブルたちとともに訪れたパリの地で、自らの秘密を探り始める。 しかしその道行で彼らが出会うのは、逃げ切れぬ過去。クロエの、マルティナの前に訪れるそれは、花の都に絶望的な崩壊を呼ぶ歌へと至り──そして慧太郎の前に、裸蟲たちの王にして、もう一人の“ジゲン流”使いが立ちはだかる。 まだ見ぬ荒園をめざすスチームパンク・ファンタジー、第3弾!
巨大生物〈蟲〉によって変貌した、もうひとつの近代。日本から遠く離れた欧羅巴の地で、その右目に〈蟲〉の力を宿した少年・秋津慧太郎。 彼が街で遭遇した「死神」--かの者が狙う「魔本」をめぐり、蟲愛づる魔女アンリ・ファーブルと女騎士クロエ、謎多き少女マルティナは、十字教の総本山も絡む陰謀へと巻き込まれーーまだ見ぬ荒園をめざし、少年と少女は闘う。 蟲と恋と蒸気が彩るファンタジー、激動の第2弾!
一八世紀に発生し、瞬く間に世界中に広がった謎の巨大生物〈蟲(ギヴル)〉。甚大な被害と引き替えにもたらされた化石燃料によって、世界は大きく変貌したーー。 時は「明治」と呼ばれるはずだった時代の少し前。異国への航路で蟲を操る男たちに襲われた少年・秋津慧太郎はある海岸に流れ着く。その右目に奇妙な力を得てーーそして辿り付いた荒地で、慧太郎は蟲たちを愛し、その研究と対処とを生業とする美少女アンリ・ファーブルと出会った。もうひとつの近代で幕開く、蒸気と蟲と恋が彩るファンタジー!
玖堂卓巳の学校に転入した、“妖精郷”変革をめざす“翅族”の姫ロロット。卓巳の妹・優乃や、ややズレ気味な美少女・佐伯ネアラと早々に問題を起こしつつも、ロロットは持ち前の破天荒さとキュートさとを生かして、一躍時の人に!しかし楽しい日々も長くは続かない。ロロットそして卓巳を狙い、様々な思惑を持つ危険人物たちが街に集いはじめる。羽々根市長からロロットに告げられた突然の退去勧告、卓巳の近しい人々に牙をむき始めた新手の妖精使い達ー改革をめざす者に訪れるべくして訪れた試練の中で、二人が下す決断とは。
それは或る雨降りの日の出来事ー不可思議な幻聴『ネジの悲鳴』に悩まされている工藤卓巳に突然の口づけを与えたのは、旧態依然とした異世界“妖精郷”を改革しようという野望を抱く“翅族”の美しき王女・ロロットだった。“改革派”の急先鋒として尖りすぎなロロットは向かうところ敵だらけ。そして、彼女とのキスをきっかけに不思議な妖精を操る能力を得た卓巳もまた“保守派”の人々に狙われることになりー。強烈に危険で凶悪にキュートな妖精姫と『ネジの悲鳴』を聴く少年が巻き起こす、異世界改革系ファンタジック・アクション、ここに開幕。