著者 : 甘木智彬
王都エヴァロティにて幕を開けたジルバギアスの初陣。ジルバギアスはアルバーオーリルをはじめとした部下を率い、魔王子として人族を蹂躙していく。圧倒的な戦力で快進撃を続けるも、そこにかつての旧友にして剣聖のバルバラとヘッセル、そして勇者部隊が立ちはだかる。他とは一線を画す精鋭部隊の出現に、配下の魔族は壊滅。孤立無援、絶体絶命の戦場で、ジルバギアスは剣槍を振るう。魔王子としてー勇者として。戦いの果て、静寂が支配する廃墟で生き残っていたのは…。偽りの魔王子による国崩し、第5幕。
レイジュ族の里で勇者殺しの咎を背負ったジルバギアスは魔王城へと帰還する。そんな彼を待ち受けていたのはー“氷獄男裸祭り”だった!?10年に1度開催されるという冬の奇祭に、魔王城の空気が熱を帯びる!さらには、人化の魔法を使ったレイラが身に着けられるドラゴンの鞍の魔法具製作をドワーフに依頼したところ、完成したのは露出の多い際どい服ーいや、もはや革紐で!?-つかの間の平穏は、雪解けとともに終わりを告げる。ジルバギアスの魔王子としての初陣は、デフテロス王国の王都・エヴァロティ攻略戦。守るべきものを蹂躙する戦いが始まろうとしていた。
第7魔王子・ジルバギアスに転生した勇者・アレクサンドルは、前世の戦友であるホワイトドラゴンの長・ファラヴギを討ち、その娘・レイラを仲間とした。汎人類同盟との初陣を間近に控えたジルバギアスは、戦場での部下を見繕うためにレイジュ族の里へ帰郷する。そこで目にしたのは、牧場で『飼われる』人族の過酷な実態だった。里では魔族の手荒い歓迎が容赦なく襲いかかり、初陣を見据えた地獄の戦闘訓練が幕を開ける。その果てに課された、生け捕りにされた勇者との殺し合い。それは、ジルバギアスに同胞殺しの咎を迫るものでー。復讐の炎が魂を焼く、偽りの魔王子の国崩し、第3幕。
魔王に殺され、その息子である第七魔王子・ジルバギアスに転生した勇者。残虐な魔王子を演じ、どうにか囚われのハイエルフ・リリアナの救出に成功するも、彼女は自我を喪失し自らを『犬』だと思い込んでしまう…。そんな折、ジルバギアスは軍事演習として廃墟に巣食うゴブリンの殲滅を命じられる。しかし、廃墟で遭遇したのは、前世の戦友であるホワイトドラゴンの長・ファラヴギだった。魔王子として敵対するか、あるいは彼を仲間に引き込むためー部下を皆殺しにするか。ジルバギアスは苦渋の決断を迫られるー。『竜』の因果に翻弄される、偽りの魔王子による国崩し、第2幕。
魔族に故郷を滅ぼされた勇者・アレクサンドルは、魔王と対峙するも為す術なく殺される。しかし、死んだはずのアレクが目を覚ますと、自らを殺した魔王の息子、第7魔王子・ジルバギアスとして生まれ変わっていた。魔王に逆襲すべく、正体を偽って理想的な魔族の王子として振る舞うーそれは残虐な魔族を演じ、罪なき人々にさえ手をかけることを意味していた…。だが、それでも。禁忌を司る魔界の女神と契約を成し、悪逆非道すらも糧として、力を蓄えていく。すべては魔王国を滅ぼし、人類を救うためにー!これは、偽りの魔王子による、国崩しの物語。