著者 : 白蜜柑
全てに『金』が介在する高校ーー長者原学園。そこは国家経済特別指定学園として積極的に個人資産を増やすことが推奨され、在学中に積み上げた資産は卒業時にほぼ自分のものになるという、破格の『稼げる学園』だった。 その入学セレクションを受けにアメリカからやってきた獅隈志道は、とある理由から金が嫌いな少年。「金じゃ手に入らないモノが欲しい」という彼は、金で釣ろうとする院瀬見琉花子の誘いを断って、生真面目な少女・芹沢在歌とセレクション通過に向けて共同戦線を張ることに。だが彼らの前に、琉花子が立ち塞がり……? 果たして誰が《ビリオネア》に届き得るのか?
ーーこれは、あくまでトモダチの話なんだけど。 あの“キス”から数日。悩める高二男子・瀬高蒼汰と、その幼馴染・藤白乃愛。二人の間で『トモダチの話』はすっかり定番になっていた。 お互いに気持ちを切り替えた一方、未だに妙な気まずさが漂う日々。 「トモダチが言うには、イベントは男女の仲を深めるチャンスらしい」 などと、乃愛がゲーム関連のイベントに参加しようと言い出して…… 「いや、そのイベントってテスト期間と丸被りしてるんだが!?」 中間テストが迫る中、乃愛はイベント用のコスプレ衣装作りに没頭。蒼汰もサポートするが、当日にはトモダチ本人も参加するようで……!? 勉強会に、コスプレに。『トモダチの話』の行方やいかにーー!
「友達から聞かれたんだけど……蒼汰ってどんな子がタイプなの?」 悩める高二男子・瀬高蒼汰はある日、幼馴染で片思い相手・藤白乃愛から珍しい相談を受けていた。 「乃愛……! まさかそれって……」 「ち、ちがっ、これはトモダチの話だからね!?」 この手口なら、恋愛に疎い蒼汰でも知っている。 〈〈“友達の話”で始まる恋バナは、たいてい本人のことである!〉〉 --つまりは乃愛も蒼汰のことが!? と思いきや後日、蒼汰は他の女子から告白されてしまう。まさか本当に“トモダチの話”だった? でも乃愛はグイグイ甘えてくるし……“トモダチ”って一体誰なんだ!?