著者 : 石田可奈
世界中の魔法師が注目する師族会議は、何者かによる自爆テロによって幕を下ろした。 この残酷な計画は、死体を操る魔法によって引き起こされていた。使用された魔法を手がかりに、黒幕を追う達也。そして、 「四葉家の司波達也殿がお前と同様、十文字殿の下で捜索に加わる。将輝、意地を見せろよ」 そう一条剛毅に発破をかけられた将輝は、『テロの黒幕』捜査メンバーである達也に対抗するように東京へ向かう。 深雪に『婚約』を申し込んでいる彼は、思い掛けない手を使って深雪にアプローチを試み……。
司波深雪の許へ、四葉本家から一族の有力者が顔を揃える新年の集い『慶春会』の招待状が届く。それが意味するものは、四葉家次期当主の指名。 --自分が後継者に選ばれれば、兄も日陰者に甘んじなくて済む。 --次期当主の地位にはきっと、それに相応しい『婚約者』が付いてくる。 深雪の心は千々に乱れる。 そして『慶春会』前夜。四葉本家へ出頭した達也たちは、現当主・四葉真夜の口から「深雪は達也の妹ではない」という衝撃的な『嘘』を告げられる。 それは、兄を恋愛対象として意識してもよいという意味であった。はたして深雪はーー!
二〇九六年、九月下旬。四葉家当主・四葉真夜による「横浜から逃亡した周公瑾の捕縛に関する協力依頼」を受けた司波兄妹は、京都で九島光宣と出会う。その光宣と共に周の捜索を行うも、手がかりは未だ掴めなかった。 そんな折、七草家のボディガード・名倉の訃報が達也たちの許へ届く。弔い合戦として、周捜索に真由美も参戦、事態は動き出す。 ついに周の潜伏先を突き止めた達也は、とある過去の強敵(ライバル)へと連絡を取りーー。 『クリムゾン・プリンス』一条将輝、『四葉の最終兵器』司波達也が共闘! 緊迫の《古都内乱編》、完結!
『九校戦』の“裏側”で起こった『パラサイドール』事件の黒幕の一人・周公瑾は、横浜から逃亡し、京都を中心とする古式魔法師集団『伝統派』の下に潜伏、姿をくらました。 そして二ヶ月が経ちーー。『全国高校生魔法学論文コンペティション』の季節がやってきた。新京都国際会議場で開催される日本魔法協会主催『論文コンペ』の一高生徒たち。 そんな中、達也の許へ、四葉真夜の書状を携えた黒羽姉弟が訪れる。手紙の内容は「周公瑾の捕縛に協力して欲しい」という要請だった。 何故、いつもの『命令』ではなく『依頼』だったのか疑問を覚えながらも、達也と深雪は『伝統派』の対抗勢力の中心である九島家を目指す。そこで、二人は『作られた天才魔法師』との運命の出会いを果たし……。 古都を舞台とした謀略と暗闘。魔法師開発の歴史の裏で燻り続けてきた因縁に、達也と深雪とその仲間たちが挑む。
今から三年前。司波深雪にとって、忘れられない出来事があった。それから、深雪は変わった。兄との関係も。兄に向ける、彼女の心もーー。 中学一年生の司波深雪は、自分の兄が苦手だった。一体何を考えているのか分からないから。家族でありながら使用人同然の扱いを受けているにもかかわらず……全く意に介さない。兄と目が合えば、深雪の口からは、不機嫌な声が出てしまう。 そんな妹に、『ガーディアン』として完璧に付き従う兄。そこには一切の油断もミスも無い。そして、一切の感情も。 理不尽だとは分かっていても、深雪は兄に苛立ちをぶつけることしか出来なかった。自分の、ただの我が侭だと分かっていても。 今とは全く異なる、達也と深雪の関係と、その心の中ーー。三年前、沖縄で起きた『出来事』によって、二人の心と、その運命が、大きく変わっていく。
横浜で催される『全国高校生魔法学論文コンペティション』。この魔法科高校生徒達の晴れ舞台に、突如謎の武装集団が侵入した。 彼らの正体は、大陸からやってきた大亜連合軍の魔法師とその機動兵器群。目的のためには市民殺害も厭わない武装軍によって大混乱に陥る中、司波達也は生徒会メンバーと共に窮地からの脱出を模索する。 同時刻。コンペ会場に、最新鋭魔法技術武装集団、国防陸軍第一〇一旅団独立魔装大隊が現れる。驚く七草真由美や十文字克人を尻目に、劣等生・達也は戦場の最前線へと向かうよう命令を受ける。 訝しむ魔法科生徒達の中、 「お兄様。ご存分に」 「征ってくる」 深雪との『儀式』を終えた達也は、ついに、恐るべき“禁断の力”を解放する。