著者 : 神田夏生
「勘違いしないでよね! あなたみたいな人、全然『好きじゃない』んだから!」 そんな、一昔前に流行ったツンデレヒロインみたいなセリフから、俺と蒼月水悠の物語はスタートした。 常にツンツンしている蒼月さんはクラスでも浮いた存在。だけどある日を境に二人きりで話すようになって、冷たい言葉の裏に温かさが隠れていることを知っていく。本当は優しい子なのに、どうして彼女は誰にもデレないのか? それは、蒼月さんが抱える不思議な過去が関係していて……。 --これは自分を偽る少年少女が、好きな人に「デレる」までの、恋のお話。
「私は、そうちゃんに、幸せになってほしいの。だから、私じゃ駄目」 高校一年の夏。ようやく自覚した恋心を告げた日、最愛の幼馴染はそう答えた。自分は3年後には植物状態になる運命だ。だから俺には自分以外の誰かと幸せになってほしいのだと。 運命を変えるため、タイムリープというチャンスを手に入れた俺。けれど、それは失敗の度に彼女にすべての痛みの記憶が蘇るという、あまりに残酷な試練で。 何度も苦い結末を繰り返す中、それでも諦められない切ない恋の行方はーー。 ごめんな、一陽。お前が隣にいてくれるなら、俺は何度だってお前を助けるよ。
「世界を『リセット』して、もう一度あたしに会いに来い」 高校を卒業したばかりの、ある春の日。 その直前に君を亡くし、失意に沈む僕の元に、突拍子もない君らしい手紙が届いた。 『リセット』するには世界で一番美しいモノを見つけなければいけないらしいーー。 僕は一縷の望みに縋り、君に再び出会うための旅に出た。 旅の道連れは、猫頭の怪しげな男・クレセント。 彼の導くまま、僕は『リセット』の手がかりを探して、君との思い出の場所をめぐる。 一緒に過ごした校舎。 デートで訪れた謎めいた喫茶店。 イルミネーションが輝く公園の並木道。 そうして僕は『リセット』の秘密に、君に、もう一度たどり着く。 --この恋の結末は、ぜひその目で見届けてください。 一章 I love you--もう一度、会いに来て 二章 I love you--探し出して 三章 I love you--君がいてくれたら 幕間 忘却の彼方の物語1 四章 I love you--君がいないと笑えない 五章 I love you--なんでもなかった幸福の日々 幕間 忘却の彼方の物語2 六章 I love you--死んでもいいわ 七章 I love you--月が綺麗 幕間 忘却の彼方の物語3 八章 I love you--大好きだよ
とある高校茶道部の部室である泡沫亭(うたかたてい)にはたびたびあやかし達が訪れるが、部長の湯季は彼らに対しても普通にお茶を点ててもてなしていた。極端なビビり体質である新入部員・三軒は、そんな茶道部での活動を通じて茶の心を学びつつ、自ずとあやかし達と心の交流も深めていく。厳つい鬼がお茶を学ぼうとした意外な動機のおはなし、ある日突然に部室へ来なくなった部員と狐の少女とのちょっぴり切ないおはなしなど、“一期一会”をテーマにしたほわりと温かなストーリーをどうぞ。
「館内に生存者が2人以下になれば、外への扉は開かれます」──遠く離れた星まで拉致された、山口健次ほか地球の男女9人。脱出不可能な集団生活の中、彼らは宇宙人から「『愛情』を知るために、あなたたちを観察する」と宣言され── 宇宙人から殺人のための武器と“飲むと生き返る石”を与えられて、苛烈な殺し合いを繰り広げ続ける9人。親子や姉弟の愛憎が渦巻き、誰もが必死に生き残ろうとするが、実に簡単に命が奪われ、だがまた、簡単に生き返る。この殺し合いが終結し、脱出者が出ることはあるのだろうか? そんな絶体絶命の状況で、幼い頃から母親に理想の子供として育てられ、正しく生きるように強く教育され続けてきた高校生の山口は、自らと皆のために“究極の行動”を起こす。 前作を超える衝撃が待つ、驚愕サスペンス・ストーリー!
宇宙人により遠く離れた星まで拉致された、山口健次ほか地球の男女7人。彼らは宇宙人から「《アイ》を理解するために、あなたたちを観察する」と宣言される。脱出不可能な集団生活の中で、皆に与えられる水分は「飲むと人を殺したくなる水」だけ。当初は、殺人衝動なんて理性で抑えられると自分に言い聞かせていた山口だが──。 人は水を飲まなければ乾き、飢え、死ぬ。理不尽な絶望の中に見つけたわずかな希望とは? そこに賭けた山口のたどり着く結末は? 殺したくない! 殺されたくない! 衝撃のサスペンス・ストーリー。