著者 : 紺染幸
肌の奇病を抱えたソフィは、わずかな癒しの力と前世のたくましさを活かし皮一枚を治すサロンを営んでいる。ある日、癒師のオズホーンがソフィのサロンにやってくる。オズホーンは、ドラゴン討伐の癒師班リーダーとして危険な地に赴くというのだ。彼を心配するソフィと、彼女を想いオズホーン。言葉にできないながらも、時間を経てお互いの関係はゆっくりと変化しているのだったー。そんな折、街ではソフィの皮膚の奇病を治せる人物がいるかもしれないとの噂が…!奇跡と軌跡が交差する、化物嬢と呼ばれた少女の癒しと恋の物語。
「勝手に目がそっち(オリヴィア)に行ってしまうんだ。なんて摩訶不思議な現象だ」「恋っていうんですよ、それ」呪われた屋敷で過ごす楽しく優しくーー少し寂しい愛の物語 父を亡くし破産した大商家の長女であるオリヴィア=アシェルは、残された家族のために命をなげうつ覚悟で娼館の扉を叩こうとしていたところ、身なりのいい紳士に声をかけられた。「どうせならば我が家の主人のために死んでくれませんか」と。先々代オールステット夫人が残した“主人が愛した女は死ぬ”呪いーーそんな呪われた屋敷にオリヴィアは身を寄せる。この屋敷の主人クラース=オールステットに愛され、死ぬために。その報酬である金貨100枚を家族に残すために。ところが、オリヴィアの前に現れた主人クラースは……なんか思っていたよりも面白い人だった。オリヴィアはクラースに“愛される”ように、クラースはオリヴィアを”愛さない”ように、二人の愛の駆け引きが始まる。
裕福な商社を営むオルゾン家の一人娘ソフィは、生まれつき皮膚の奇病にかかっていた。その異様な容姿により『化物嬢』と呼ばれ、学園ではいじめられる毎日。ついには退学し、屋敷で皮一枚しか治すことができない光の力の習得と勉学に励む。そんなソフィは、ある日自らの病気を苦に命を絶ちかけ思い出す。自分がかつて日本に生まれ死んだアラカンのオカンだったことを!「お父様、お母様、わたくしサロンを開きたく存じます」皮一枚のことで悩む人を、一人でも多く癒したい。生きることを決意したオカン力あふれる化物嬢ソフィが、今日もお客様の皮をお治しいたします!