著者 : 蒼井祐人
飼い主・瑠璃香への恩返しのために死後、妖怪・猫又となった黒いオス猫のテト。手始めに家事を覚えることに決めたテトでしたが、なにをすれば恩返しになるのかがわかりません。そこで何かと手助けしてくれる狐の妖怪・ススキの助言と瑠璃香の幼馴染・結羅の一言があり、人間社会の知見を深めるため瑠璃香たちの高校と同じ敷地にある小学校に通うことを決意します。知らない人間が大勢いる学校に通いながら、ときに結羅と放課後デートをしたり、ときに瑠璃香の教室に行って一緒にお昼を過ごしたり……。テトが順調な小学校生活をスタートさせた裏で、しかし昔馴染みの白猫・レイラが昏い瞳で悩んでいました。 「ねえ、テト。死ねば、わたくしも猫又になれますの?」
ある日、一匹の黒い雄猫が天寿を全うし、飼い主の腕の中で息を引き取りました。しかしその直前、黒猫はあることに気が付きます。 『--僕は、何も返せてないじゃないか!!』 優しくしてくれて、甘やかしてくれて、たくさんの時間を一緒に過ごしてくれた飼い主・瑠璃香に何もお返しできていないことに思い至り、悔やんで悔やんで、でもだんだんと力が抜けていってーー気が付くと妖怪・猫又となっていました。妖怪が人間と交流するなら人間の姿にならないと……そこで変化を試みるも妖力が足りず、幼い男の子の姿が精一杯。しかし元黒猫・テトは全速力で走ります。二年が経ち少しだけお姉さんになった瑠璃香のもとへーー今度こそ、恩返しをするために。
800kmの行軍を成し遂げ、無事〈エラー517〉を克服した秋人とフィリアたち。しかし休む間もなく、彼らの元へ正体不明の“声”が届く。『--たすけて』と救いの手を求めるその人物は、全ての始まりとなったシステム《アルカディア》の開発者にして、秋人たちをここまで導いた《JUNO》だったーー。 救出した彼女の口から明かされたのは、“死を超越した子供たち”の秘密と《アルカディア》完全破壊の方法。全てを終わらせるため、向かうはテレサ社の本拠地、楽園都市・ティーラ。そして《JUNO》の真の目的を知った秋人は、ある決意を胸に最後の戦いへと身を投じる!
《アルカディア》の破壊から2か月。秋人とフィリアたちは慣れないながらも手を取り合い、武器食料の補給や基地の防衛に追われていた。そんな中、原因不明の病変〈エラー517〉に倒れる仲間が続出。さらにテレサ社の大攻勢で追い詰められた秋人たちは、基地を捨て外の世界に踏み出す覚悟を決める。 身体の不調を隠して最前線へと向かう秋人。そのバディに名乗りを上げたのは彼の幼馴染・玲奈だった。フィリアに対抗心を燃やす彼女は、秋人への諦められない想いを胸に秘めていてーー。 800kmの荒野を14日間以内に踏破せよ。少年少女たちの生死を賭けた行軍が始まる!
☆☆☆第28回電撃小説大賞《金賞》受賞作☆☆☆ バトル×リスポーンで、生還不可能なS級ミッションを攻略せよ! 彼らは安く、強く、そして決して死なないーー。 究極の生命再生システム《アルカディア》が生んだのは、複体再生〈リスポーン〉を駆使して戦う10代の兵士たち。戦場で死しては復活する、無敵の少年少女〈死を超越した子供たち〉だった。 二大大国が覇権を争う大戦の最前線。合衆国軍のエースとして小隊を率いる少年・秋人は、戦績不振を理由に全滅必至な機密情報の回収任務〈サルベージ〉を命じられる。しかし予期せぬ戦闘と崩落で仲間を庇った秋人は、因縁の宿敵である連邦軍のエリート少女・フィリアとともに、複体再生〈リスポーン〉不能な地下深くで孤立。性格もスキルも正反対で相性最悪な二人が協力して、地上への帰還を目指すことになりーー。 死ぬことのない戦場で死に続けた彼と彼女の、邂逅と共鳴の物語が始まる!