著者 : 藤本ひとみ
文化祭を間近に控えたある日、三年生の男子が死んだ。恋を叶えてくれるという伝説のアルテミス像が、彼の頭に落下してきたのだ。被害者はとかく悪い噂のたえない飯田晴彦。現場に居合わせたのが、あたしが秘かに想いを寄せる真駒史貴。警察の取り調べでも一旦は事故に落ち着いたものの、殺人事件の線も捨てがたく…。友達の町子ちゃんなんか、真駒クンが犯人かも、なんて言いだすし…。
あたしが合格したのは、受験日に初めて行って少しもなじめず帰ってきた第三志望の中学だった。おそるおそる登塾してみると、黒木クンたち三人は、声をそろえて、志望校に合格。でも、一人だけ若武の姿が見えない。「あいつ、全部オチたんだ」小塚クンが言った。あたしは息ができなかった。落ち込んでる若武を励ますには、すっごくハデな事件を解決して、世間から注目されるしかないんだけど…。
あたし、立花彩と、超エリート集団“KZ”が開設したリサーチ事務所に、記念すべき初仕事が依頼された。用件は、図書室に置いてある受験雑誌から無断でページを切り取った犯人をさがしてほしいとのこと。さっそく若武を中心に小塚、黒木、上杉クンに仕事を分担し、捜査が始まった。しかし、捜査につれて、事件は深刻さを増し、あたしが解読したある文章には、さらに恐るべき事実が隠されていた…。
あたし、立花彩は、1年前から秀明ゼミっていう進学塾に通ってる。目標は有名私立か国立の附属。でも、あたし、塾の中でも遅れてる方。KZっていう、偏差値70以上のエリート集団にくらべたら、まだまだってとろこかな。それにKZのメンバーはスポーツ万能で、皆すごくカッコイイのよ。でも、ある日、KZの1人に、いきなりナンパされちゃった。なによ、プレイボーイみたいに、最低よっ。
和矢、シャルル、美馬、高柴、冷泉寺、高天、早匂…。数多くのキャラクターの生みの親。大人気シリーズを次々と発表する小説家。そして、アニメ、音楽など、多方面に活躍し、全国にひとみ中毒者を増やしつづける超才女-藤本ひとみ先生。その素顔は…。先生が和矢たちと語り合う「ひとみのモノローグ」を始め、〈銀バラ〉の新作、占いなど盛りだくさん。コバルト初の珠玉エッセイ集。
美馬貴司と同じ屋根の下で暮らす-なんとこれが実現しちゃうのよ。うちのママと美馬の父親が晴れて再婚するの。親友の麻子の手前、山中湖で美馬をフッてしまった私だけど、心の奥では、どうしようもなく彼のことが好き。そんな心を隠して、ふたりでママたちの結婚を成功させようとするのだけど、美馬家は名家中の名家。準備だけでも大変なのに、邪魔だてする人間まで出現して…。
あたし、高見美晴は高校一年生。高すぎる身長が、悩みのタネなの。そんなあたしが一目ぼれしたのが黒崎先輩。でも、ある日あたしの幼なじみが殺されて、刑事が黒崎さんを犯人だと決めつけてしまったの。そんなはずないわ!絶対、真犯人がいるはずよ!
あたし、三井明子、16歳。親友の文恵ちゃんと、『恋風』をやっているの。『恋風』ってのは、恋のキューピッドのこと。そう、告白したいのにできない人たちを、たすけてあげるの。そんなあたしが、ある日、旧校舎でおこった放火殺人事件の犯人として、警察に目をつけられちゃった!実は、あたし、その日の記憶がないんだ。だから、弁解もできないんだよ…。こうなったら、自分で真犯人を捜すっきゃない。
あたし、水沢詩織、16歳。あたしの高校のシンボル“恋天使像”は、誰にも見られずに、その首に手作りの花輪をかければ、恋が実る。-そんな、恋の伝説をもってるの。事件は、ある土曜の午後、おこったの。校庭で、きらわれ者の飯田晴彦が死んじゃって、その凶器が、なんと恋天使像。しかも、第一発見者は、あたしが恋している真駒クンなの!不審な行動をとるカレだけど、あたし信じる。カレの無実を証明するために、真犯人を!