著者 : 野宮有
人類滅亡の危機が発表されてから二年が経ち、世界はとっくに恐怖することに疲れていた。誰もが、どうしようもない現実を忘れてダラダラと毎日を過ごしている。そんな、人類最後の夏休み。夢を投げ出した少年はずっと好きだった幼馴染との距離感がわからず戸惑い、スランプ中の文芸部部長は場末のゲーセンでゾンビをド派手に蹴散らす少女と出会い、やさぐれモード全開の女子高生は謎だらけの転校生を尾行し、重大な秘密を抱える少女は廃墟マニアの恋人との最後のデートに臨み、ひねくれ者の少年は女子高生監督に弱みを握られて人類最後の映画を撮るー。どうせ終わる世界で繰り広げられる、少年少女のひと夏の物語。
謎に包まれた天才ミステリ作家・拝島礼一の代表作「絵札の騎士」を模倣した連続猟奇殺人事件が発生。新米週刊誌記者の織乃未希は、唯我独尊な拝島に半ば強引に協力を求められ、秘密裏に事件を調査することになる。“原作者”としての強みと推理力で事件を紐解いていく二人だったが、模倣犯が仕掛けた狡猾な罠や、世間に渦巻く“正義”という呪いが容赦なく襲い掛かってくるー。壮絶な頭脳戦の果てに、二人が辿り着く驚愕の真相とは?
無能力者でありながら嘘と詐欺だけで異能学園の怪物たちと渡り合ってきたジンとニーナ。激闘の末、学園の秘密に近付いた矢先、突如として特務機関“白の騎士団”のメンバーにしてニーナの実兄ハイネが担任教師として赴任してくる。ハイネに殺された養父ラスティの遺志を継いだジンたちは、ハイネが結成した自警団に参加しつつ、裏では彼を陥れるという最高難度の信用詐欺に挑むことに。無敵の特異能力を持ちながら嘘や策略でもジンを圧倒する最強の敵に、果たして立ち向かう術はあるのだろうか…?究極の“騙し合い”エンターテインメント、最終章!
緻密に張り巡らせた嘘と策略によって、無能力者でありながら異能学園で勝利を重ねるジンとニーナ。ある日、ニーナに入学試験免除のエリート異能力者・キャスパーとカレンがそれぞれ同盟を持ち掛けてくる。彼らは対立しており、ニーナの力を借りて相手を潰す計画を立てていたのだ。これを好機と捉えたジン達は両者と同時に同盟を結ぶが、命を狙ってくる謎の刺客や、複雑に絡み合う思惑によって、事態は思わぬ方向へ加速していくー!嘘がバレたら即終了!怪物達を相手に、ハイリスクハイリターンの信用詐欺が幕を開ける。
国中から集まったエリート異能力者が日々熾烈な競争を繰り広げるハイベルク国立特異能力者養成学校。無能力者なのにもかかわらず入学試験を突破した天才詐欺師のジンは、“災禍の女王”と恐れられる少女・ニーナと出会う。実は彼女も、天才的な演技で周囲を騙し続けてきた無能力者だった。お互いの秘密を共有した二人は、学園の頂点を目指すため共犯関係を結び、エリート異能力者たちを策略にハメていく。「俺とあんたが組めば、世界すら騙し通せる」最強の嘘吐きたちがあなたを魅了する、究極の“騙し合い”エンターテインメント。
恋人に貢ぐために、義理の母から保険金殺人の標的にされている高校生・灰村瑞貴。父親の身勝手な愛情により虐待され、殺される瞬間をただ待つだけの少女・逢崎愛世。歪んだ愛に苦しむ彼らが見つけたのは、連続殺人の予定が記された絵日記だった。共犯関係になった二人は、絵日記を利用して殺人鬼に親たちを殺させる計画を立てる。しかし、愛を憎んでいた瑞貴は、愛世に対して生まれたある感情に気づいてしまいー。彼らが選択する結末とは?真の愛を問う衝撃の青春小説。
シエナを狙うハイルの策略により、犯罪街イレッダは地獄と化した。そして、数多の銀使いとギャングから命を狙われることになったラルフとリザ。しかし、幾度の困難を乗り越えてきた二人はもう迷わない。少女娼婦シエナが囚われている“イレッダの深淵”へー。「リザ、さっさとこの茶番劇を終わらせるぞ。反吐が出る」「珍しく同意見。じゃあ、あいつら殺そうか」全ては一片の穢れなき理想のために、最後の戦いの幕が開く。最狂クライムアクション、堂々完結。
「…ずっと邪魔だって思ってたんだ。あんたも、あの少女娼婦も」「リザ、それが本心ってことか?」魔女の関係者を突き止めるため、ロベルタ・ファミリーの幹部ハイルの誘拐を企む賞金稼ぎのラルフとリザ。しかし、ハイルの護衛にはリザの昔の仲間たちを虐殺した猟犬部隊の元分隊長ラーズの姿が。因縁の相手を前にしたリザは、ラルフとの作戦を無視し決別。一人、硝煙と殺意に覆われた戦場に身を投じる。それを仕組んでいたかのようにシエナを狙うハイルが動き出しー。最狂クライムアクション第3弾、開幕!
「ラルフ、やっぱり殺し合いは最高だね」「ああ、相手が銃も刀も効かないクソッタレじゃなければな」人質に取られているシエナを解放するため、犯罪組織フィルミナード・ファミリーの腐れ仕事をこなす“銀使い”のラルフとリザ。そんな二人の前に組織への復讐を誓う能力者ウェイドが姿を現す。ラルフとリザの猛攻をものともせず、ウェイドは圧倒的な力で組織の構成員を虐殺していき、シエナの身にまで危険が迫る事態に。熾烈さを増していく復讐劇、だがラルフは自分にあまりにも似たウェイドの悲劇的な過去を知りー最狂クライムアクション第2幕、開演。
「ねえ、ラルフ。ところで今日の仕事、殺しの許可は?」「政府公認。愛と正義の為に、どうぞ連中を皆殺しにしてください、だとさ」おっと、勘違いするなよ?俺とリザは、殺人もクスリも黙認してくれる寛容な犯罪街イレッダでご依頼主様のために、クズどもをぶっ殺す善良な賞金稼ぎだ。まぁ、ご依頼主様が良い奴か悪い奴かは関係ないがな。何より大切なのは金だ。そんな俺たちに与えられたのは、少女を捕らえろというちっぽけな仕事。だがそれも悪魔の異能力者“銀使い”の襲撃で、狂気に満ちた“愉快な誘拐劇”に変わってしまったわけだがー。第25回電撃小説大賞で物議を醸した最大の問題作、“選考委員奨励賞”受賞。