著者 : 金子跳祥
そこは「神別れの山脈」によって二分される大陸。東に人間が属するワウリ界、亜人が属するネクル界。長きにわたって断絶していた両者だったが、ある頃より“聖戦”を掲げた軍事侵攻によって衝突が繰り広げられる。そして多くの戦士たちが戦火の中で活躍し、非業の死を遂げていった。 “聖戦”の初期戦端を切り開いた、竜騎兵バラド。最強の暗殺者として恐れられ、人間軍の侵攻を押しとどめた猫人ニャメ。歴史に残る一騎打ちで知られる人間軍の筆頭戦士ニモルドと、亜人軍の武者・犬人ニスリーン。歴史を揺るがした将軍、冒険家、発明家、大神官や、戦火に引き裂かれた恋人たち。そしてたった一人の反乱軍から皇帝にまで上り詰めた亜人の姫・イリミアーシェ。複雑に絡み合う運命の中で、やがて星座として祀り上げられる英雄たちの生と死とともに人間と亜人の歴史を描く、一大叙事詩。
成績は頑張って中の下。スクールカーストで言えば低い方。気の合う友達はいるけど、女子と喋った回数なんて数えるほど。可愛い女の子と交遊なんて高望みってものだろう。だけど脚本兼監督を引き受けてしまったぼくの一言で、映画部の日常が変わる。「ヒロインで撮りたいんだ」文化祭に出展する予定のオリジナル脚本ゾンビ映画『死霊の呼び声』。しかし主演女優の出演交渉は早くも難航。女子たちから小馬鹿にされながらも、ヒロイン獲得に向けてみんなで策を練るが…。
「やることが出来た。ガキを一人助ける。止めても無駄だぞ」危険すら顧みず、何の縁もない一人の少女を守るために「迷宮層」の全てを敵に回す、掛け値なしの馬鹿、チャンク。それが、この地下神話の主人公だ。ここは、見上げれば天蓋に覆われた地下都市。クズしか存在しない底辺。猥雑な建築物が建ち並び、奇妙な熱気に包まれたその街は「迷宮層」と呼ばれている。そんなスラム街で生まれ育ったチャンクの生業は、郊外エリアに沸き出てくる機械獣カニバルを索敵して狩り殺すこと。最低の環境だったが、チャンクはそのシンプルな生活が気に入っていた。そんな彼が狩りの最中に拾った謎の少女、リリィ。それが、地下世界を揺るがす大事件の始まりだったー。