著者 : 鎌田絵里
あたし、南千絵。高1。とっても素敵な高校生活の予感。だって健がアメリカから帰ってきたんだもの。大好きな健が…。それに、同じ高校に通えるなんて、夢みたい。ところが、アメリカでの生活は、健を変えていたの。彼のやさしさの表現は大胆で、あたしは戸惑ってしまう…。クラスの男のコからは冷やかされるし、女のコも陰口を言っているらしい…。こんなはずじゃなかったのに-。
あたし、落合優。二つ年上の兄貴、翔は、みんなの憧れで、あたしにとっても、大きな存在なの。だから、兄貴以外の男の子を、意識したことなんてなかった。今までは…。いつも冗談を言いあって騒いでいた慎吾のことを、こんなふうに思いはじめたのは、どうしてなんだろう。あたしの中で、何かが変わりはじめたのは、やさしい雨のせい…。永井真理子さんのヒット曲、イメージ小説。
やさしいだけの彼のこと、ちょっぴりもの足りなく感じているの。あの、失恋の悲しみから救ってくれたやさしさなのに…。あたしは、またあの辛い思いの中に戻ろうとしている。本当に自分勝手だと思う。でも…。やさしさが取り柄の秀雄と、自分の夢に向かって生きる昔の彼、裕一のあいだで、知華の心は揺れるが-。恋したときにいちばん大切なこと、あなたは忘れていませんか?
最初は彼のこと、嫌なヤツだと思った…。彼、小泉譲二に出会ったのは夏休みのこと。ストリートダンスがうまくって、取り巻きの女の子がいっぱいいて、その子たちを無視してた-。乙女心をわからないヤツなんて、ひどいと思わない?気にくわないッ!それなのに、彼の意外な一面を知ってから、あたしのハートがおかしいの…。こんなに彼のことが気になって、せつない気持ちになるのはどうして?まさか“恋”してる…。
「お帰りなさいッ、孝志!」あたし、柏めぐみは、どんなにこの日を待っていたことか…。東京の大学に合格し、北海道から帰ってきた孝志は、ますます素敵になってて。あたしたちの恋愛は、1年半ぶりに、またここから始まるはずだったの。ところが、思いがけない女子大生のライバル出現。高校生のあたしが、どんなに背伸びしたってかなわない、大人の女性なんだ。
あたし、柏めぐみ。高1。新入生歓迎会で、2年生の松田孝志こと、松ちゃん先輩のギター演奏を観て以来、彼に恋しちゃったの…。“恋のおまじない”までして、もう必死なんだ。そのかいあって、“お知り合い”になれたのに、先輩、北海道へ転校しちゃうんだって!まだ告白もしてないのに、あたし、いったいどうしたらいいんだろう…。
わたし、田村亜里佐。このたび、みごと、N高に合格しました。もう、うれしくって。だって、N高には憧れの浩ちゃんがいるんだもの。幼なじみで、ひとつ年上の超素敵な人。でも、この恋は誰にも打ち明けられないの。わたしの双子の姉、真里亜に、「浩ちゃんが大好き」って、先に宣言されちゃったから。真里亜はとても積極的。浩ちゃんも真里亜が好きらしいんだけど、わたしにやさしくて。やっぱり、わたし、あきらめきれない…。
「コンサートで隣の席だった、K・Oさん。あなたにもう一度会いたい!」超内気なあたしが出した、大胆なハガキが、なんと、ラジオ番組で読まれちゃたの。それが、あたし、哀川尚の恋の始まり。再会できた彼、織田恭一さんは、すごーく素敵な人で、どんどん好きになっちゃった。でも、彼は誰かに恋をしているみたい…。片想いでもいい。初めての恋だもの。バレンタインデーが勝負よねっ。
あたし、瀬戸内あかり。高校2年生。幼稚園からずっとお嬢様学校で、自慢じゃないけど、男の子には免疫ゼロ!理想の男性はパパ!っていいきってたんだけど…。親友の憧れの人、高柳くんに、「一目ボレだ」なんていわれちゃって、最初はなんとも思ってなかったのに、気になりだしちゃったの。これって恋なの?ひょっとして、恋と友情の板ばさみ。あたし、どうしたらいいんだろう…。
あたし、織原やよい。都立高校の2年生。俊也…高木俊也は、あたしのボーイフレンドだった男の子。そう。もう過去形なの。バイクの事故で、半年前に亡くなったんだ…。今でも胸の中には、俊也への想いがすきまなくつまってるっていうのに。2学期が始まり、英語の教育実習で、大学4年生の野本裕一先生がやってきた。先生がバイクに乗る、と聞いたとき、あたしの心の中に暗いひと筋のカゲが落ちたんだ…。
あたし、大谷美咲。15歳の高校1年生。秋になったら、パパの海外赴任について、ボストンのママのお墓に、お参りすることにいることになってるの。でも、死んだと思っていたママが、生きていたの!それも、この東京で…。あたし、絶対に、許せない。ママは、なぜあたしを捨てたの?あたしはそれを知りたくて、ママとひと夏暮らすことにしたんだ…。
あたし、高樹美佐。私立女子高校の3年生。好きな人も憧れの男性も見つけられないあたしは、いつも、親友のノンとヤッピーのノロケ話の聞き役。あーあ、BFが欲しい!そんな時、ノンが、ハンサムな大学生、白石洋一さんを紹介してくれたの。ヤッタネ。あたしたちがおつきあいを始めて、ひと月ちょっとたったころ、さそわれちゃったの。「夏休みに、ふたりで、旅行、行かない?」って。あたし、どうしたらいいんだろう…。
私、浅野朝加。中学3年、花の受験生。これから、高校の合格発表を見にいくところなの。もし、今日私が落ちてたら、守とは、バラバラの高校に進学しなきゃいけなくなる。須藤守は、なにを隠そう、中2の夏からつきあってる、私の大切なボーイフレンド。守は、トップクラスの成績で、おまけにスポーツマンなんだ。なのに、私ときたら…。私、守と同じ高校に行くために、守といっしょに、1年間、猛勉強してきたんだ…。
辛、小川真美。16歳の普通の私立女子高生。私の初恋の思い出は、この小さな巾着袋の中に入っている。それは、学生服の金ボタン。今から2年前、3年生の卒業式の日に、片想いの山根達也さんからもらったの。でも、自分からはいいだせなくて、バレー部の先輩に、卒業式の前日、部室で頼みこんだの。それ以来、山根さんとは一度も会っていない。ところが、チケットを買いにいったプレイガイドで、偶然、山根さんと再会して…。
「お母さん、再婚しようと思うの」突然、お母さんが、切り出した。わたし、有川玲。都立向ヶ原高校2年生。お父さんを小学校4年生の時に亡くして以来、わたしは、お母さんとずっとふたり暮らし。最初のうち、わたし、とまどいをみせたけど、「お母さんが幸せになるのなら」と、最終的には祝福してあげたんだ…。そして、お義兄さんになったのが、武彦さん、何かと、あたしに気をつかってくれるの…。
わたし、佐藤彩。私立聖和女子学園1年生。ウチの学校は中等部から続いている女子校。だから、トーゼン、男の子には縁がないの。それに、太っているのが、ちょっぴりコンプレックスでもあるし…。ということで、夏休みの重大テーマは、ダイエット。目標は、40日間でマイナス4キロ。シェイプアップのために、毎日通うことにしたプールで、あたし、ふたつ年上の、笑顔がステキな城ノ内真澄さんと、知りあったの…。
わたし、霞絵里。都立城ケ崎高校2年生。ウチの高校は、男女共学で、わたし、男の子に、けっこう人気あるんだ。エヘッ。ただ、高1の頃から、アメリカに留学しようと思っていたから、彼がいると別れるのが寂しくなると思ってトクテーは作らなかったの。そんなわたしの本命は、ひとつ年上の3年生で、写真部の田所裕さんだったの。過去形なのは、この夏から1年間の留学がいよいよ決まったからなんだ…。