著者 : 長尾彩子
小さな村で、調薬師として働くティアナ。捨て子だったため、素性も、胸にある痣の理由もわからない。育ての母と仲睦まじく暮らしていたが、ある日、母が重い病に倒れる。途方にくれるティアナだが、妖精たちの助言をもとに、森に住むマリアン王子に助けを求めることに。風変わりな様子の王子(しかし絶世の美少年)は、助ける条件として、初対面のティアナに「結婚」を迫ってきて…?なぜ!?
優秀な聖騎士を輩出する家に生まれたミカエラ。侍女として王宮に出仕していたが、剣術の腕を見こまれ、アドリアン王子の身辺警護を任されることに。カレンデュラの森を治めるアドリアンは、“闇の星痕”が肌に浮かんだという不吉の王子。儲慢で冷徹な性格のうえ、不気味な仮面をつけているらしい。とある事情から、ミカエラは男装で王子の警護をすることになるが…。
生まれつき病弱な王女リースヒェンは魔女と同じ髪色と目の色のため、父王から疎まれていた。そして、異母弟が原因不明の病に倒れると『忌み子』に認定され、王太子を呪った咎で処刑が決まる。だが、処刑まで幽閉されたリースヒェンを、主治医かつ婚約者のエレンフリートが迎えに来る。いつも優しかった彼は「貴女の『粛清権』を買った」と冷たく微笑み、彼女を辺境の城へ連れ去るが…?呪いと香りが誘う倒錯ラブ。「童話」シリーズ最新刊!
改邪聖省の紅一点・祓魔師アデリナの特技は料理。葡萄酒を飲ませたり、魔除けの薬草や聖水を使った料理を食べさせることで身の内から魔を祓うのだ。そんなアデリナは国王の命を受け、落命したが息を吹き返したため“異例の忌み子”と呼ばれる王子エルヴィンを祓魔すべく、城の料理番として潜入する。しかし、エルヴィンに目的を見抜かれた挙句、意地悪されたり騙されたりする毎日で…?
忌み子の王女ユリアーナは天然で頭が悪いふりをしつつ、医薬の研究や飢饉に備えての南瓜作りに取り組んでいた。そんなある日、魔性の力を持つとされる忌み子を警戒する父王より、異例の若さで異端審問官となった少年クラウスが婚約者という名の監視役として遣わされてくる。「貴女のお傍を片時も離れるわけには参りません」と宣言した彼は、本当に一瞬たりともユリアーナの傍を離れず…?
魔王の血を引くというバルバストル伯爵家が治める地、アラザン。闇のような漆黒の髪に、輝く金緑の瞳ー“黒猫”のあだ名をもつ少女エリーゼ・ルルーは、人間の食事が必要ないはずの伯爵家の料理人に指名された。実は、伯爵令息のアランが魔力を失い、食事なしでは生きられなくなったというのだ。いつも不機嫌で冷たいアランに戸惑うエリーゼだが、彼の深い悩みを知り、力になりたいと思い…?
時は平安ー。京のはずれの邸に暮らす、靖子と咲子。最近、咲子には気がかりなことがあった。靖子が、気味の悪い男につけ狙われているのだ…。(表題作)都でも屈指の美姫といわれる奏子。密かに、血の繋がらない兄に恋をしていたが、ある日、一冊の日記を見つけてしまい…?(瑠璃と桜の人魚姫)-四季折々の京が舞台の、戦慄のホラー短編集。全4編収録。この世で一番怖いのは、だあれ?
冬の京では、疫病が広がりつつあった。咲良と火夏は玉兎堂で自分たちの仕事をこなしていたが、ある日、火夏が変調をきたす。神気と霊力が著しく弱くなり、呪禁巫医としての仕事ができなくなってしまったのだ。火夏の父から「咲良の父は魔性のもの。火夏の変調は、咲良の近くにいすぎたせいだ」と聞かされた咲良。苦しむ火夏の姿を目の当たりにした咲良が選んだ道とは…!?涙の完結巻…!
呪禁師に任官されてから一か月あまりー。医師としてはひよっこながらも、相棒の火夏と一緒に、咲良は充実した毎日を送っていた。人と同じように、病や怪我、そして恋に悩む妖たちの助けとなれることに喜びを感じるのだ。そんなある日、一人の美少女が咲良を訪ねてくる。花崗と名乗る少女は突然「呪禁師の座を私に譲ってよ」と言い放ち…!?一方、花崗が男であることを見抜いた火夏は…!?