著者 : 陽山純樹
大臣であったグレンと、邪竜を倒す役目を担う聖剣使いカイーー二人は人類を裏切り、フィスデイル王国に大きな影を落とした。そして彼らと相対したジャレム平原の戦いの後、ユキト達来訪者や王国の人達は二人の穴埋めをすべく奔走した。落ち着きを取り戻したのは一ヶ月後。その間、姿を消したカイの捜索や邪竜の動向などを探っていたが成果は上がらず、また動きもなく停滞していた。ユキトは天神であることを公表したリュシルと共に、次の戦いに備えカイとの戦いに勝利した技法『神降ろし』の鍛錬を進めていた。相棒であるディルと共に能力を使うため検証を進めていた時、ある提案を受けるのだがーーーーーー。
ベルファ王国での戦いで宿敵ザインを倒すことに成功したユキト。仲間たちと共にフィスデイル王国へと帰還し、カイと今後のことを話し合う。一方、フィスデイル王国では、重臣であったグレン大臣が邪竜と通じる裏切り者であったと発覚したが、グレンは行方をくらましてしまう。彼の残した言葉により判明したのは、ユキトの祖父もまた、この世界を訪れていたという事実。その事実からユキトは足跡を知りたいと願い、カイは祖父の仲間であった竜族の男性と引き合わせると告げる。そしてカイは、グレンや残る信奉者を捜索しつつ、仲間のレベルアップを図ると表明するのだった。
多くの犠牲を伴いながら、進んでいく邪竜との戦い。シャディ王国での戦いを終えた後、ユキト達の下へとある冒険者がやってきた。その人物はユキトの宿敵である信奉者ザインの弟、ダイン=エルトマ。彼は兄が邪竜の配下になったことを知り、また故郷を兄によって滅ぼされたため、ザインを打倒するべくユキト達の所を訪れた。邪竜の力を得る前の情報があれば、ザインを追跡できる霊具を作成できる。よってユキト達は因縁の相手、ザインを追うための霊具を作成し、討伐することを次の目標と定めた。そしてユキトは仲間やフィスデイル王国の騎士、セシルと共に追跡霊具を作成するため、ザインの故郷へと向かうのだがーーーー。
名門高校1年A組。ある日突然、理不尽にもクラス丸ごと異世界に召喚されてしまう。それでもなお世界を滅ぼそうとする邪竜と戦うために武器ーー霊具を手にして戦う来訪者ユキト達。魔物を生み出す『魔神の巣』を破壊した彼らに、新たな作戦が始まることとなった。それはフィスデイル王国の南東にあるシャディ王国の救援。魔物を率いる邪竜の配下、信奉者はシャディ王国の元将軍であり、国の内部を多く知る人物だったことで窮地に追い込まれていた。フィスデイル王国は救援のため、王の護衛である騎士エルトや、王国の重臣にして竜族のリュシルを向かわせることにした。さらに聖剣を持つカイや仲間であるメイも戦列に加わり、ユキトは仲間と共にシャディ王国へ遠征することに。そしてシャディ王国内の戦いの中で、霊具を手に最前線で戦う王女、ナディと出会うのだが……。
私立三空学園高等部一年A組、瀬上雪斗。ごくごく普通の目立たない彼にはクラスで憧れを抱く生徒が二人いる。生徒会副会長で成績優秀、大企業の御曹司の藤原海維。もう一人は現役アイドルとしても活動している宮永芽依。雪斗は二人と同じクラスであることがささやかな自慢だった。特筆すべきことがないながらも、平和な日常が愛おしい。そんな生活が突然変わってしまったのは、二学期の期末試験を前にした、ある寒い日だった。突然、教室が光に包まれたかと思うと、瞬く間にクラスメイト全員が異世界転移してしまったのだ。召喚者の説明では邪竜に世界が征服されようとしていて雪斗達に助けを求めてのことだという。クラスメイト達は目の前の状況を信じられず、混乱の中で話をすることもできなかった。そんな中、真っ先に動き出したのが海維と芽依、そして雪斗。美少女剣士と共に、三人の異世界を救うための闘いが始まる!
ソフィアを盟主としたバールクス王国解放戦争は無事に勝利に終わった。いよいよ間近に迫った魔王との最終決戦に向けて作戦を練っていると、精霊コロナから、地底に未知の力が存在しているという報告を受ける。その力によって大陸が滅びることを危惧したルオンは、コロナの力を借りて地底の力の正体を確かめることにしたのだが、そこで不思議な人影を発見する。その人影はルオン達の前に姿を現すと、自らを「賢者」と名乗った。驚くルオン達に賢者が語ったのは、この世界の真実。ルオンがゲームの世界に転生した本当の理由だったーー。
ルオンは自身が転生者であることを明かし、ゲームの出来事を仲間と共有した。一同はルオンの過去を受け入れ、一丸となって魔族に立ち向かうことを改めて誓った。ルオン達はソフィアの祖国であるバールクス王国の解放のために動き出すが、その前に五大魔族であるグディースとの戦闘の兆候を察知する。グディースによる魔物の大量発生は、放置すれば甚大な被害が出てしまう。ちょうど敵の居城へ向かっていた「夜明けの自由騎士団」と合流し、ルオンたちは騎士団を率いていたエイナとともに、グディース討伐に赴く。更に、五大魔族との戦闘が進んだことで、南部侵攻がもはや間近に迫っていた。祖国奪還に向けて兵をまとめるために、ソフィアは王女として表舞台に立つ決意を固めるのだった。
ルオン達はジイルダイン王国の戦いを勝利で終えた。これで魔王軍幹部である五大魔族のうち三体を撃破し、神霊である水王アズアの協力を得ることもできた。ここまでの戦いでルオンが知る『エルダーズ・ソード』のゲームシナリオと歪みは生じているが、着実に魔王の暴挙を止めるための準備が整い始めた。そうした中、戦いが一段落した際、神霊ーー不死鳥フェウスから依頼が舞い込んだ。内容は自身の眷属が保有していたアーティファクトが人間に奪われ、それを取り返すか破壊してほしいというもの。奪った人物はナテリーア王国の第二王子ゼクエス。彼はルオンの仲間であるソフィアとリーゼの友人であり、またジイルダイン王国の騒動における関係者だった。
魔王打倒を目指すルオン達は、新たな仲間としてゲーム主人公の一人であるオルディアを加え、旅を続ける。その折、精霊の頂点に立つ三体の神霊の一人、水王アズアが魔王側に寝返ったーと同じ神霊であるガルクから聞かされる。果たしてそれは真実なのか。疑問に思いながらルオンは次なる目的地である四大精霊ウンディーネのすみかに向かう。そこでルオンはウンディーネ族長アマリアの口からアズアは確かに魔族ダクライドとつながりがあると知らされる。ルオンはアズアの真意を調べ、ダクライドを倒そうと決意するのだがー。
ルオン達は五大魔族の一角を倒した。その結果、魔王を討つ資格を得ることができた王女ソフィアと共に、ルオンは進路を南に向け旅を続ける。当面の目的は時を巻き戻す魔法を持つ魔法使いリエルを、彼が頼っている人物の元まで送り届けること。道中、ルオンの出身地であるフィスイリア王国に辿り着く。転生した意識を持つルオンは、初めてのような、懐かしいような複雑な心境を抱きながら、幼馴染や師匠と再会する。そしてリエルからこの国で起こる“未知の戦い”を聞かされるのだがー。