著者 : 青木祐子
結婚して一年が経った今でも、シャーロックとクリスは、満ち足りた甘い日々を過ごしていた。そんな時、女王主催の宮廷舞踏会デビューを控えるクリスの予行演習として、ある舞踏会に出席することになるが…『二年目の舞踏会』。クリスと結婚して、たとえ廃嫡されても、シャーロックへの忠誠心は変わらない。従僕アントニーの葛藤を描いた『彼の懐中時計2』を含む、オール書きおろしの四編収録。
クリスとシャーロックが訪れたのは、ランベスのガイアスタイン城。目的は、ハクニール家の嫡男であるシャーロックが両親に初めて恋人クリスを紹介するためだった。城へ向かう馬車の中でも二人は長いキスを交わしてきた。だがクリスには自分がけして歓迎されないことがわかっていた。案の定、クリスを待ち受けていたのは、シャーロックとの身分の違いを思い知らせる厳しい現実だった…。
ようやく母のリンダと再会を果たしたクリスは、ジャレッドの制止も振り切り、リンダと行動をともにすることを決める。これ以上、リンダに闇のドレスを作らせないためだ。そして向かった先は、スコットランドのマクダフ城。リンダの愛するヒューバートの城である。一方、シャーロックはクリスを連れ戻すためマクダフ城を訪れるが…。恋のドレスと闇のドレスに翻弄される恋人たちの運命は。
シャーロックに拒絶され悲嘆に暮れたクリスは、パメラと共に『薔薇色』から姿を消す。一方、貴族の義務とクリスへの思いの間で揺れるシャーロックは、苦悩の日々を過ごしていた。ようやく行方知れずのクリスの居場所を探し当て、安堵するシャーロックだったが、クリスもシャーロックを思うがゆえに厳しい決断を迫られて…。二人の恋の行方は!?引き裂かれた恋人たちは聖夜に出会えるのかー。
『薔薇色』でシャーロックやパメラと穏やかな日々を送るクリスの前に、行方不明だったユベールが現れる。女伯爵イヴリンとの生活を夢みるユベールに、クリスはイヴリンが会いたがっていることを伝えるが、すべてが終わったら迎えにいくという言葉を残し、去っていく。一方、弁護士ケネスも闇のドレスとクリスの過去に迫り…。闇のドレスに翻弄される恋人たちの運命は!?シリーズ急展開。
シャーロックとのすれ違いに心を乱したクリスは、ドレスを作れなくなってしまう。そんな折、以前顧客だったパトリシアと出会うことで、その強さと明るさに心を救われたクリスはドレスを作る意欲を取り戻した。だが、依頼を受けた矢先、闇のドレスに関わる事件で伯爵だった父を喪った女性・イヴリンが『薔薇色』を訪れて…!?強い想いを込めたドレスがもたらすのは「恋」?それとも「闇」-。
青年貴族シャーロックが『薔薇色』の仕立人クリスを想っていると知りながらも、彼への想いを断ち切れない伯爵令嬢アディル。彼女は伯爵家主催の舞踏会で、新たに仕立てた恋のドレスを着て、もう一度シャーロックを振り向かせようとする。一方、クリスもまた複雑な想いを胸に、顧客の婦人の付き添いとして舞踏会に行くことになるが…?舞踏会の一夜に交錯するそれぞれの秘めた想いは。
『薔薇色』の仕立人クリスは、青年貴族シャーロックとの恋をゆっくりと育てていた。だがある日『薔薇色』に謎の男ギルレイが現れ、シリルという女性のドレスを注文する。クリスは採寸のためひとりでロンドンを訪れるが、指定されたのはかつての『薔薇色』があった場所のすぐ近くだった。女優だというシリルに振り回されるうち、闇のドレスに近づいていくクリス。シャーロックも闇のドレスの真相を追って…。
オルソープ家の執事は、アディルのドレスを再度『薔薇色』に注文するが、パメラは断ろうと必死だった。シャーロックの婚約者候補であるアディルのドレスをつくって以来、クリスの様子がおかしいからだ。一方アディル本人は『夜想』にドレスを依頼する。『夜想』の仕立人ミセス・コルベールと闇のドレスとのつながりを探るシャーロック。クリスもまた、ミセス・コルベールに近づいて…。
行方の見えない恋に翻弄されるクリスとシャーロック。公爵家令嬢コーネリアのドレスを作ることになったクリスだが、彼女は父の愛人の娘である異母妹アップルに複雑な思いを抱いていた。自分に興味を寄せる子爵の子息ビアードを妹に近づけるが…。コーネリアの仕掛けた恋のゲームがクリスに思いがけない出会いをもたらす。クリスに近づく闇の影にシャーロックはー。
クリスとパメラが営む小さな仕立屋『薔薇色』に、名門オルソープ伯爵家の令嬢アディルのアフタヌーン・ドレスの注文が入る。ただひとりのパートナーの目を釘づけにするドレスに仕立ててほしいという要望に応えようとするクリスだが、アディルの相手を知ってショックを受ける。シャーロックは、彼を拒絶し、仕事も進まなくなってしまったクリスに気を揉むが、闇のドレスが再び影を忍ばせ…。
仕立屋『薔薇色』のクレマチスの花が届けられた。差出人は闇のドレスをめぐる事件以来謹慎中のシャーロック。クリスは彼を想いながらも、手の届かない相手だと自分に言い聞かせていた。ある日、アメリカ人の機械工ラリーが『薔薇色』にやってきた。彼のフィアンセのドレスを作るため、クリスは彼らと共に車の旅に出ることに。だがそこにはシャーロックも同行することになっていて…。
仕立屋『薔薇色』を訪れた少年エド。クリスは彼にそっくりだという姉シャロンのドレスを依頼される。屋敷を訪れたクリスは、シャロンの恋の相手を選んでほしいと頼まれ、恋をゲームのように弄ぶ姉弟に困惑する。『薔薇色』のドレスで本当の恋に目覚めたシャロンにエドは反発するが…。一方、シャーロックは闇のドレスとクリスの母の関わりに気づき、クリスと向き合う決心をする。
内気な仕立人クリスと、社交的な売り子パメラ。ふたりが営む仕立屋『薔薇色』は、恋をかなえるドレスをつくると大評判。だがクリスは闇のドレスで貴族の娘ばかりを陥れるアイリスを怖れ、貴族からの依頼をすべて断ることにする。そんなある日、裕福な鉄道王の娘パトリシアがドレスの注文にやってきた。安心して引き受けたクリスだが、パトリシアの付き添い人は訳ありのようで…。
仕立屋『薔薇色』は恋をかなえるドレスをつくると大評判。仕立て人のクリスと売り子のパメラは、とある公爵のカントリー・ハウスに住み込みでドレスを仕立てることに。公爵の愛娘アップルは気球で飛ぶことを夢見る少女。着飾ることを嫌い、採寸を拒むが、その理由は亡くなった彼女の母親と関係があるらしい。悩むクリスの前に、クリスが密かに思いを寄せる青年貴族・シャーロックが現れて…。
仕立屋『薔薇色』の店主クリスは内気な少女。着る人の心をドレスに映し出すことができるが、自分の恋には臆病で…。再起を賭ける女優マーガレット・ベルの舞台衣装を仕立てることになったクリスだが、心の闇を引き出す「闇のドレス」の存在に怯える。クリスに思いを寄せる公爵の令息・シャーロックは彼女をそっと見守るが、華やかな舞台の裏では事件の兆しが!大好評ヴィクトリア朝ロマン。
19世紀のイギリス。ロンドン郊外の町リーフスタウンヒルにある仕立屋『薔薇色』。店主クリスの仕立てるドレスは恋をかなえてくれると大評判。噂を聞いた公爵の令息・シャーロックは立つことのできない妹フローレンスのドレスを頼む。採寸のため屋敷を訪れるクリス。恋のドレスはフローレンスの心を映し出す。そこには思いがけない秘密が隠されていて…。英国調ロマン。