著者 : 風見祐輝
冥界竜との戦闘で魔力を使い果たしたアルは一時昏睡状態に陥っていたが、なんとか意識を取り戻した。サティエラとカイスルたちのパーティー、そしてフュウと共に、戦いで傷ついた体を癒すことに専念する。やがて戦後の処理をしながら完全回復したアルは、孤児院を訪問した際に、シスターからアルの父親が残していった手紙を受け取る。そこに書かれていたのは、もしも自分がいなくなっていたら水面下で進めていたことの後を継いでほしいということ、そしてこの世界を旅して見て回ってほしいという内容だった。手紙を読んだアルは、カイスルたちと共にレーベンの街を旅立っていくのだがー。
冒険者になったアルベルタは、白金貨目当てで絡んでくる不良冒険者をあしらいながら、サティの母親を捜す生活を続けていた。魔物を引き寄せる呪符や、ライジン伯爵の不審な動きなど不穏な空気が漂う中、サティの母親らしきエルフが街に入ったという情報を手に入れる。すぐにでも救出に向かいたいが、相手は力を持つ伯爵。剣豪と呼ばれる猛者も雇われていると聞き、慎重に情報を集めていく。しかし、グリューゼル侯爵との交渉が決裂したライジン伯爵は、時を待たずに戦争を仕掛けだす。平和だった街を襲う、大量の兵士と魔物たち。アルたちも街を守るために行動するのだがー。
アルベルタは冒険者としての仕事をしながらハーフエルフの少女・サティエラの母親の手掛かりを探していた。そんな中、レーベンの街は不穏な空気に包まれていた。街の経済の低迷、不良冒険者の怪しい動き。そしてアルベルタを狙う不良冒険者達。アルベルタは持ち前の規格外の力で、悪の手から逃れる。だが、その力の強大さを危懼する者達により、アルベルタの父親の真実を聞かされることになるのだった。父親の本当の姿とは?そして、サティエラの母親の行方は?
人里離れた山奥に一人暮らすアルベルタ。旅に出た父親の帰りを待ちながら修行の日々を過ごすが、待てど暮らせど父親は戻らなかった。そしてアルベルタが15歳を迎える直前、父親の死を知る。『僕は父ちゃんみたいな冒険者になる!』-その決意を胸にアルベルタは山奥での生活に終止符を打ち、冒険者になるため世界に飛び出す。世界を旅し、たくさんの仲間、友達を作ることを目標にするのだった。しかしアルベルタは知らなかった。ずっと山奥で修行をしていたから。己が規格外の強さであることを。期待に胸膨らませ街へと向かう途中、ハーフエルフの少女と出会い、運命が加速していくのだが…。