著者 : 黄鱗きいろ
黄泉平良坂骨組堂(1)黄泉平良坂骨組堂(1)
少年、雛が目を覚ますと、川岸に倒れていた。自分は誰か? どうしてここに? 記憶をたどるもはっきりと思い出せない。当て所なく彷徨ううちに、奇妙な二人の男に出会う。人形の体を持つ無感動な形代と、彼に付き添う慇懃無礼な継喪。彼らによると、ここは生と死の間“黄泉平良坂”。そして彼らは彷徨う魂の行き先を導く“骨組堂”の住人だという。 雛は欠けた記憶を探すため、彼らの仕事を手伝うことに。しかし魂の未練を接ぐ骨組堂での生活は、やがて形代と継喪が抱える咎へと連なっていくことになりーー。 目次 1 2 3 4 エピローグ
自殺判定士 曽根崎都弦の自殺衝動(1)自殺判定士 曽根崎都弦の自殺衝動(1)
曽根崎都弦は、ある特異な力と自殺癖の持ち主。彼が自殺を試みる度に、友人の六文銭村正は悲鳴を上げつつ蘇生するのが日常だ。ある日、二人が働く心のケアの相談所に、一件の依頼が舞い込む。都市伝説にある呪いの写真『眠り姫』に恋人が殺されたのだという。殺人を主張する依頼人と、自殺を主張するその友人。遺体の写真を見た曽根崎は「他殺だ」と即答した。彼は自殺かどうかを見分ける力を持つ、自殺判定士なのだ。やがて『眠り姫』は、二人を自殺と他殺をめぐる、不可解な連続怪死事件へと誘っていくー。
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