著者 : 黒崎蒼
後宮の宮女・翡翠の日常は突然一変する。反乱が起き、新皇帝が後宮全員の死罪を宣告したのだ。決死で抗議に行った翡翠は、思いがけず元婚約者の旺柳と再会する。 旺柳は憤る翡翠をなだめつつ内心焦っていた。--彼こそ新皇帝だからだ。今も翡翠を愛する旺柳は自分は皇帝の側近だと嘘をつき、死罪撤回を掛け合うと約束する。 かくして死罪は免れるも後宮解体の方針は変わらない。翡翠は妃や宮女総勢千人の行き先を探す「始末官」に任命される。翡翠と旺柳は彼女らの希望を聞き出そうとするが、無理難題の山積みで……!? ==登場人物== 翡翠(ひすい) 美しい筆跡を買われて女官として後宮に入ったが、現在は下働きをしている。 今でも旺柳が好きだが、立場が違うと自分に言い聞かせている。 旺柳(おうりゅう) 地方出身。腐敗した政治を行っていた前皇帝に代わって、現皇帝として即位した。 翡翠には皇帝であることを隠している。 元婚約者の翡翠を溺愛している。 プロローグ 第一章 後宮守翡翠、後宮を死守できず。 第二章 後宮始末官誕生! 第三章 後宮の外には素晴らしい世界が? 第四章 後宮始末官、陥れられる。 第五章 元婚約者の立場とは? 私、聞いていません! 第六章 後宮始末官、過去との対決!
藤十郎とともに京へ戻ったせつな。しかし、第八警邏隊には療養を終えた隊士・本条がいて、あやかしだと見破られてしまう。屯所を追われたせつなは、親戚の都子のもとに身を寄せることとなる。せつなと藤十郎は密かに逢瀬を重ねるが、都子は離縁すべきだと言い出す。別の男性に嫁がせようと画策する都子に追い詰められる中、せつなは彼女の抱える秘密に気づく。-それは京をも揺るがす悲しい事件の始まりだった。そして、せつなと藤十郎にも最大の危機が訪れる。二人が選ぶ未来はー。
ようやく藤十郎率いる第八警邏隊の面々と馴れ親しみ始めた年の瀬。せつなは婚家・奥沢へ帰省することになった。藤十郎を連れ戻ったせつなは義祖母から手厚くもてなされ、義妹・奈緒の気遣いも温かく、自分の居場所ができたように感じていた。しかしそんな思いとは裏腹に、次期当主の妻となるせつなへの恨みを募らせていた奈緒は、「何か」と引き換えにどんな願いも叶えるという神社を偶然にも訪れるー。一方で奈緒の様子がおかしいと藤十郎から諭されたせつなは、咄嗟に反発してしまうが…?
父親に疎まれ座敷牢で育った少女・せつな。父の死後、あやかし警邏隊隊員・藤十郎のもとへ嫁ぐが、務めに一途な藤十郎は実家へ戻ろうとせず、せつなは夫の顔を見ることすら叶わない。婚家では虐められ、せつなは逃げるように彼がいる京へと向かった。ようやく出会えた藤十郎は、部下を従えた剛腕な隊長。思わず臆したせつなは身分を隠し、彼らの下働きに就く。仲間と過ごすうち、気付けば心の距離も近づく二人だが、あるとき離縁の選択を迫られる。そこには決して二人が結ばれることのない「秘密」があった。
“契約社員は、地下の片隅の小部屋で昼食を取るべし”そんな逆境に耐えかね、転職を果たしたOL・梓。配属先は憧れの営業部、これで素敵な社食ライフにありつけると胸踊らせていたが、肝心の社食が「マズすぎる」。しかも不運は続き「働き方改革推進課」へ異動となってしまった。営業部のエース・由良曰く、推進課は“仕事の手を抜く天才集団”。推進課の管轄なら、美味しい社食は一生無理とバカにされてしまう。売り言葉に買い言葉、梓は本来の業務はもちろん、自分が社食を立て直すと断言してしまいー!?
漫画家・啓汰先輩のもとで、マネージャーを務めるあすみ。編集部への交渉や雑務は派手じゃないけれど、毎日楽しくこなしていた。ところが新人女子に顎で使われ、啓汰先輩の妹には敵視され、徐々に職場の居場所がなくなってしまう。挙げ句友達は続々結婚し、いよいよあすみも焦り始めるが…。先輩は優しいけれど素っ気ないことも多く、第一告白されたわけでもない。このまま雑用係を続けていいの?そう悩んだ時、先輩と仕事で気まずくなってしまい!?つい応援したくなる、25歳・アラサー乙女の恋と仕事の物語!