著者 : 黒雪ゆきは
氷竜を討ち従えた俺を讃え、パーティが開かれることになった。 「今すぐ戦(ヤ)ろうルーク!」「久しぶりルーク……その女(ヒト)、誰?」 エレオノーラにミアも参集するなか、母を誘拐したと宣う賊が現れ……あえてその言葉に乗り敵地を殲滅するも、黒幕の狙いはどうやら俺《ルーク》らしい。 続けざまにリリーも拉致されアベルが事に当たるが、リリー解放の条件は俺を殺害することでーー。 その一方、帝国で開催される剣聖祭が間近に。本気で戦える場を渇望していた俺にとって、至上の機会だがーー 開宴を前にエルフのテロ組織? 神聖国の暗躍? どいつもこいつも羽虫のように鬱陶しい。邪魔するなら、ただ排除するまでだ。
俺はファンタジー小説の悪役貴族・ルークに転生した。 手練れの教師にも圧勝する学年最強のルークは、上級生のポルポンに序列戦を挑まれるもーー完膚なきまでに打倒。 しかし彼はこの王国の第二王子だった! 王位への執念から俺に魔法指南を乞うポルポンだが、 「私は、ルークの『駒』になったから教えてもらえたんだよ」 ミアの余計な一言で、駒になるとまで言い始め!? 胃が痛い俺〈ルーク〉を嘲笑うように、改変は加速する。 ルーク暗殺計画に学園存続の危機、氷竜襲来ーーそれがアベル〈主人公〉の宿命だろうと、俺はただ最強を求め、目の前の強敵をねじ伏せるのみ!! ……なのになぜ領民に慕われ、英雄扱いされるんだ!?
俺はファンタジー小説の悪役キャラに転生したらしい。 悪役貴族ルーク・ウィザリア・ギルバートーーその怪物的才能に溺れ、格下と侮った主人公に敗れる“やられ役”。 読者をスカッとさせるためにある“破滅エンド”を避けるには……自惚れずに努力するしかない! 運命に抗い、ひたむきに強さを追い求めーーアスラン魔法学園に入学したルークは、学年最強の名をほしいままにしていた! 才色兼備の名家令嬢を虜にするだけでなく、本来なら関わらないはずの陰の実力者、主人公の味方となるはずのヒロインまでルークの下に集い始め!? 破滅エンドの悪役が努力した。 たったそれだけの改変が、どこまでも物語を狂わせていく!!