著者 : EEJU
魔術漁りは選び取る1魔術漁りは選び取る1
傭兵団の戦場漁り、少年カナタは生き延びるために戦場で金目のものを漁る生活を送っていた。唯一の楽しみは戦場に落ちている魔術の残りかすーー魔術滓(ラビッシュ)と呼ばれる綺麗な小石を拾う事。それは魔術師が魔術を発動した際に生じた余計な魔力の塊。時間が経てば消えるだけの、言ってしまえば何の役にも立たないゴミ。しかし、過酷な環境下でカナタが美しいと感じられるものは、この魔術滓(ラビッシュ)くらいしかなかった。 ある日、高額な報酬を約束された戦火で、傭兵団は何者かの魔術によって執拗に攻撃を受け続けた。その攻撃は雇い主である貴族の魔術師によるものであり、契約を反故にするための裏切りであった事が次第に判明する。傭兵団が悪意の岐路に立たされた時、カナタが選ぶのはーー 覚悟と決意を胸に、少年は成り上がる。
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