著者 : SNC
修道院育ちのリーゼロッテは、明日レイモン伯爵と結婚する。王妃の朗読係になるための形式上の婚姻だ。 友人のハンスは猛反対するが、リーゼロッテはレイモンのことがずっと好きだった。形式上の妻でも、式の口付けがフリであってもかまわない。 しかし別々の部屋で初夜を明かした翌朝ーーレイモンは遺体となって発見された。刺殺という見立てに納得がいかないリーゼロッテは解剖を願い出る。 そう。彼女は「魔女」と畏怖される天才解剖学者。 夫の死の真相を突き止めるため、夫の願いを叶えるため、リーゼロッテは王宮に出仕する。 「マダム・ミニョン」と呼ばれた少女と王宮陰謀劇の幕開けだったーー。
「今すぐ選んでほしい。俺か、逃亡生活か」 幼い頃の記憶がない魔術師・エレオノーラは傷つき、呪いをかけられた羽トカゲを拾う。 まるで言葉が通じているような羽トカゲに、仕事を押し付けられ、辛く孤独な日々を癒されるように。 ある日、エレオノーラは冤罪で命までも狙われてしまう。 間一髪、助けてくれたのは羽トカゲ──から人間の姿に戻ったディートリヒ。 ずっとエレオノーラを探していたという彼に隣国に連れていかれると、恩返しだという極甘溺愛生活が始まって…!?
竜に守られた国、シュティアーツ王国。栄えある聖竜騎士団の総団長に就任したのは、従軍経験のない十七歳のエレノア姫だった。 通称「妖精姫」。人形めいた容姿で変わり者と揶揄される11番目の王女だ。王国の歴史上初の初ドラゴンのパートナーを持たない総団長に、団員たちは反発した。 けれど針のむしろのエレノアに、「氷剣」と呼ばれる副団長のアドルファスは忠誠を誓う。エレノアにも総団長にならなければならない理由があってーー 「ありのままのあなたのお側にいたい」臆病な姫将軍の伝説が、ここから始まる!