著者 : yoco
黄泉平良坂骨組堂(1)黄泉平良坂骨組堂(1)
少年、雛が目を覚ますと、川岸に倒れていた。自分は誰か? どうしてここに? 記憶をたどるもはっきりと思い出せない。当て所なく彷徨ううちに、奇妙な二人の男に出会う。人形の体を持つ無感動な形代と、彼に付き添う慇懃無礼な継喪。彼らによると、ここは生と死の間“黄泉平良坂”。そして彼らは彷徨う魂の行き先を導く“骨組堂”の住人だという。 雛は欠けた記憶を探すため、彼らの仕事を手伝うことに。しかし魂の未練を接ぐ骨組堂での生活は、やがて形代と継喪が抱える咎へと連なっていくことになりーー。 目次 1 2 3 4 エピローグ
冥暗堂偽妖怪語冥暗堂偽妖怪語
必要とする人しか辿り着けず、店が閉じればもう二度と戻れない質屋・冥暗堂。そこは、妖怪贋作師を名乗る店主が創作した紛い物の妖怪を貸し出す「あやかし質屋」だった。贋作妖怪の寿命は二週間。呪詛と監視のため、恩人の本心を知るため、そして死んだペットのため。人間の願いを受けて、贋作妖怪は創作され、消えていく。そんなある日、記憶を失い、右腕に重傷を負った青年が現れて…。未来を持たない紛い物と、生きてきた過去を持たない青年が紡ぐ、心に響くあやかし譚ー。
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