異世界薬局 8
異世界薬局の常連客であるジャン提督率いる新大陸探検隊は、ファルマから通信技術や衛生面の手厚いサポートを受け、ついにマーセイル港を出発した。それを見送ったファルマは、領地や製薬工場の視察、やり残していた聖帝の神脈再開、そして霊薬バテラスールの調合によって呪われていたパッレとエレンの解呪、さらには大規模な神術演習への参加など、目まぐるしい日々を送っていた。しかし、そんなファルマに予想外の報告がもたらされる。なんと、ジャン提督たちとの通信が途絶してしまったのだ。救助のため、パッレ、エレン、そして神力を取り戻した聖帝エリザベスとともに新大陸へと向かったファルマは、その地で不思議な力を使う一人の少女に遭遇する。その少女の能力と相対した時、ファルマの薬神紋に思わぬ異変がー!?
関連ラノベ
研究に没頭するあまり、志半ばで過労死した若き薬学者。 目を覚ますと、彼は王侯貴族を専門に診察する宮廷薬師の名家ド・メディシス家の息子、ファルマとして転生していた。しかし、間違った治療法や薬の調合、医療行為と呼べない呪術やまじないが横行するこの世界の医療にファルマは絶望する。 「何とかしないとな、この世界の人々のためにもーー」 前世で培った現代薬学に加え、異世界で手に入れたチート能力「物質創造&物質消去」。 それらを駆使しファルマは母の腰痛から女帝の死病まであらゆる疾病に立ち向かう。 そして、真に効果のある薬を広く人々に届けるべく召使いの少女ロッテ、家庭教師を務める美女エレンたちと「異世界薬局」を開業。そこでファルマが掲げた目標とはーー。 2016/01/21 発売
前世で培った現代薬学知識と、チート能力「物質創造&物質消去」を使って、広く人々に効果のある薬を届けるべく「異世界薬局」を開業したファルマ。 初めは閑古鳥が鳴いていた薬局経営も、肌に良い化粧品や歯ブラシなどのヒットで評判が上向き千客万来、順調に業績はアップしていった。 しかし、そんなファルマにやがて試練が訪れる。 ファルマの人知を超えた神力と影のない姿を「悪霊」と断罪し、誤解を解く間もなく問答無用で襲いかかる異端審問官たちーー。 そして、かつて地球上でも多くの命を奪った“最悪の伝染病”が異国で発生。大市の開催を控えるサン・フルーヴ帝国に、アウトブレイクの危機が迫るのだった……。 2016/05/23 発売
自身のチート能力に加え、『異世界薬局』従業員や調剤薬局ギルドメンバー達の決死の活躍で、帝都を襲ったペストのアウトブレイクをなんとか防ぎきったファルマ。当初の目的「頑張りすぎない生活」はどこへやら、サン・フルーヴ帝国薬学校へ教授として招聘されたり、完成した製薬工場の視察へ出かけたりと、多忙な生活を送っていた。 そんな中、ファルマの兄・パッレがノバルート医薬大学を首席で卒業し、一級薬師の資格を取得してメディシス家に戻ってきた。 自分が『異世界薬局』の店主だとパッレに明かしていないファルマは、彼が開局待ちの列に並んでいるのを見つけ冷や汗をかくが、パッレは「薬師」として視察にきたのではなく、原因不明の体調不良に苛まれる「患者」として来局したのだという。 ファルマの“診眼”が捉えた、パッレを蝕む病。それは、あまりにも残酷な事実だったーー。 2016/10/25 発売
自身の持つ現代薬学知識と、秘宝「薬神杖」の力をフルに使って、白血病に侵された兄のパッレを死の淵から救い出すことに成功したファルマ。 一命をとりとめたパッレと共に、帝国医薬大学校で使用する教科書を執筆するファルマは、自分の知識が異世界に根付く息吹を確かに感じ始めていた。 そんな中、毎日のように薬局に顔を出していた神官長サロモンの姿が見えない事を不審に思ったファルマは、彼が神殿の総本山「神聖国」に幽閉されている事を突き止める。 サロモンを救出すべく向かった「神聖国」で、ファルマは大秘宝として祀られていた前世の大学職員証を手に入れたが、もはやそれはただのカードではなく……!? 2017/03/25 発売
大秘宝と化していた前世の職員証が示した扉ーーそこは、ファルマの前世・薬谷完治が最期を迎えることとなった大学の研究室へとつながっていた。 この世界が夢などではなく、全く別の世界へと転生してしまった現実を突き付けられたファルマは、現世で新たに生まれた“人との繋がり”を思い出し、この世界で人々のために生きていく決意を新たにするのだった。 そして迎えた帝国医薬大学校の新学期。ファルマも自身の持つ現代薬学知識を伝えるため学部長兼教授として教壇に立つこととなる。巷で話題の異世界薬局店主、そして女帝の命を救った宮廷薬師として名を馳せていたファルマだったが、すべての学生が彼に好意を寄せるわけではなかった。事実、一人の学生がファルマの元を訪れ、こう告げる。 「退学申請の受理をお願いしたく、まいりましたーー」 2017/08/25 発売
サン・フルーヴ帝国医薬大学校の教授となったファルマはすっかり大学に馴染み、そして加速度的に日々の多忙さは増えていった。 そんな折、ファルマは大神殿による自身への度重なる干渉に決着をつけるべく、女帝エリザベート二世たちと共に神聖国へ向かう。 そこでファルマは、この“異世界”に隠された真実のひとかけらを、そして神聖国の大神官が辿る呪われた運命を知ることになるのだった。 時を同じくして、ファルマが不在となったサン・フルーヴ帝都にも異変が起き始めていた。それまでほとんど帝都に姿を現すことのなかった悪霊が、突如として大量に発生したのだ。 悪霊に立ち向かうエレンは、ある一つの仮説に思い至り戦慄する。この未曽有の大惨事は、ファルマの力の“揺り戻し”ではないか、とーー。 2018/03/24 発売
世界規模で発生した悪霊の被害は、サン・フルーヴ帝都にも拡大していた。神殿や大神官、守護神、神術、そして多くの代償を強いる禁術ーーそのすべてが悪霊に立ち向かうために必要なものだったと痛感したファルマは、今一度自分がこの世界でなすべきことを模索する。 そして、女帝やエレンたちに降りかかった“呪い”を解くべく、ファルマは現代の医学知識を用いながら研究室の学生エメリッヒらと共に研究を進めた結果、その意外な正体を見つけ出した。大切な人たちを救う治療方針が見えて安堵するファルマだったが、一人の学生を襲った病が、彼の運命を変えていくことになる。 「覚えられないの……。ここ最近、何も覚えられなくなってしまったんです!」 診眼は、ファルマの持つ現代の医薬知識でも助からないと無情にも告げる。 諦めきれないファルマが、その学生の命を救うために取った行動とはーー。 2019/07/25 発売
ファルマから薬神紋を奪い物質消去の力を得た、新大陸の少女メレネー。だが、一歩間違えれば大惨事を引き起こしかねないその強大な力は、彼女の手に負えるものではなく、ファルマは密かに対策を講じる。結果としてファルマに救われたメレネーは、ファルマたちとの和解の道を選び、サン・フルーヴ帝国と交易が行われることになった。その後、今度はメレネーが帝都を訪れる。観光などを通じてお互いの仲を深めていったファルマは、彼女にこの世界の成り立ち、そして自分がなすべきことを相談する。メレネーの提案で、再び異界の研究室を訪れることになったファルマは、そこで自分の知っていた地球の歴史が変わっていることに衝撃を受ける。さらに、ファルマは思わぬ人物と研究室で邂逅するのだったー。 2022/12/23 発売
月日が流れ、十七歳となったファルマは、次の闇日食を迎える前に様々な準備を行っていた。 まず手始めに、ファルマは世界最大規模の製薬会社へと成長した異世界薬局の代表執行役を辞して、薬局の未来を次代へと託す。 そして、教授を務める帝国医薬大学校では、最後の講義として学生たちに医療従事者としての“究極の問い”を投げかけ、彼らに向かうべき道を示した。 それらはすべて、やがて世界に訪れる大きな変化のためーー。ファルマの『終活』は、着々と進んでいった。 やがて準備万端で迎えた世界最後の日、ついにファルマと薬谷完治の計画した共同作戦が遂行される。 世界の管理者である墓守との対峙を経て、ファルマたちを待ち受ける結末とはーー。 2024/01/25 発売