脱サラ転生魔術師は職人芸で成り上がる 2
列車に揺られ、レナルドとエウラリアはついに王都に到着する。王都は国の中枢にして最大の都市、そして融合屋がひしめく融合魔術の中心地。そこで商売できるとあって意気揚々のレナルドであったが、それには許可証が必要であると、ばったり出会ったイルヴィラに忠告され、出鼻をくじかれるのだった。そしてなんとか許可証を手に入れ、中央通りから少し離れたところに店を構えたレナルドは、少年期に弟子にした少女セレナと再会する。さらに、そのセレナが王都一の融合魔術師になっていることに、レナルドは驚きを隠せないでいた。一方、そんな劇的な再会の裏では、エウラリアが警鐘を鳴らす破壊魔術の妖精が着々とその行動を現し、王都に暗雲が漂うのであった…。
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入社三年目、その青年は疲れていた。「ああ、刺身にタンポポ乗せる仕事がしたい…というのは冗談だけど、脱サラして職人になりたい。なにか一つに集中していたい」そんな現実逃避気味な五月病の彼は、自作電子部品の通電のミスで感電してしまう。急いで離さねばと手を動かしたその時、視界は見知らぬ天井を映し、動かした手は虚しく宙を漂う。さらには己の体がふた回り小さくなっていることにも気づく。どうやら、運悪く雷に打たれて意識不明だった十二歳の少年の体に憑依してしまったらしい。こうして新たな人生を歩む少年(青年)レナルドは、運命的に融合魔術と出会い、十年かけて融合の極意にまでたどり着くのであった。極めた融合魔術で、目指すは千客万ら…!!…ではなく、ゆとりある職人生活!!だが、そうは問屋が卸さず、運命は大冒険の日々に彼を誘っていくのだった! 2018/03/24 発売