クレイとフィンと願いの手紙
滅びかけた世界から、かろうじて救われた幾多のかけらたち。それらがひとつになって、新たな地球が生まれた。世界を結び合わせたのは、人の心と心に生まれる絆。人のつながりこそが、世界を縫う糸。世界がほころびかけた時、彼らは世界の外からやってくる。口の悪い金髪の美少年フィンと、目つきの悪い黒髪の青年クレイ。彼らの仕事は“郵便屋”。二人が運ぶのは「届かぬはず」「失われるはず」「伝わらぬはず」の手紙。大洋に沈む運命の豪華客船へ、革命前夜の雪の都へ、いまだ神話が生きるジャングルへ、さまざまな場所に、願いのこもったメッセージを届け、明日を見つけだすために手を貸す。けれど、時には彼ら自身が、希望を見つけることもある。