海辺の町で間借り暮らし
安住の地と定めた海辺の町に引っ越した紗枝。ところがその晩、家が全焼。途方に暮れる紗枝に手を差し伸べたのは、隣人の桂木だった。紗枝は30歳、桂木は50歳。20歳差の二人の同居が始まった。
過去を隠して根無し草のように生きてきた紗枝。美しい容姿と能力の高さで常に他人の興味を引き、疲れてしまった桂木。だからこそ、つかず離れずの距離感を守った同居が心地よかった。しかし、紗枝に東京の刑事から電話がありーー。
おいしいものがたくさんあり、ゆったり時間が流れるこの町で始まる、歳の差ラブストーリー。
目次
プロローグ 燃える我が家
第一章 意地でも幸せになってやる
第二章 ハレとケの区別のない日々を歩む
第三章 平静を装っても跳ねる心臓
第四章 遠い日の落とし物を三十で拾う
第五章 流浪の日々を歩いて家に帰る
優しい意地悪
深山奏とカニ
桂木さんと猫