帝都鬼恋物語 煤かぶり令嬢の結婚
母を亡くし、男爵家へ身を寄せる没落令嬢・春寧。
使用人のように扱われ、遂には母の形見である紫水晶の簪まで売られてしまった。
春寧は簪を買収した、鬼の美術商と噂の景臣の元を訪れる。取り戻す条件は『政略結婚』。春寧の家柄を稼業に利用するためだった。
「鬼の眼を持つ俺は、呪われた品を管理するためだけの存在だ」と心を閉ざす景臣。けれどその眼は簪の紫水晶のように輝き、春寧を包み込んでくれた。
そこで今度は春寧が、誰にも愛されずにいた彼を救いたいと心から望むがーー。
恋と呪いの和風シンデレラ物語。
序章 白い撫子の庭で ・・・005
第一章 煤かぶりの令嬢 ・・・009
第二章 薔薇の令嬢 ・・・043
第三章 忌まわしき絵画 ・・・072
第四章 洋装の令嬢 ・・・110
第五章 焔の中で ・・・141
第六章 箱の中の恋文 ・・・175
第七章 黒幕 ・・・194
終章 再び、白い撫子の庭で ・・・228