帝都鬼恋物語 煤かぶり令嬢の結婚
母を亡くし、男爵家へ身を寄せる没落令嬢・春寧。使用人のように扱われ、遂には母の形見である紫水晶の簪まで売られてしまった。春寧は簪を買収した、鬼の美術商と噂の景臣の元を訪れる。取り戻す条件は『政略結婚』。春寧の家柄を稼業に利用するためだった。「鬼の眼を持つ俺は、呪われた品を管理するためだけの存在だ」と心を閉ざす景臣。けれどその眼は簪の紫水晶のように輝き、春寧を包み込んでくれた。そこで今度は春寧が、誰にも愛されずにいた彼を救いたいと心から望むがー。恋と呪いの和風シンデレラ物語。