女王陛下に婿入りしたカラス(1)
「君、私の婿になる気はないか?」
国や領地をも家と見なし管理・経営する『家政学』専攻の学生ウィルは、略奪・戦争国家と批判していた隣国オノグルの女王イロナから初対面にもかかわらず突然、求婚される。
「この国を、戦争以外の方法で飢餓から救いたいのだ」
イロナの真意を知り、ウィルはオノグルで半年間過ごすことになるのだが、王宮の使用人たちにすら敵国の人間として扱われ味方は一人もいない状況で……。
家族を殺し、殺され、他国を憎み、憎まれる負の連鎖を断ち切ることはできるのか。
婚約式から靴や貨幣作りまで、剣を持たない少年の戦争回避術!