白狼様と神隠しの少女 約束の百年目、神使が迎えにきました
神野木家の下働きのまほろは強欲な当主一家に虐げられてきた。
ある日白皙の美貌の青年・狭霧が訪れる。
神使だという狭霧は「『石』を返せ」と迫るが、当主は狼狽するばかり。
しかも身代わりとしてまほろが差し出されてしまった。
百年前、神野木家には特別な霊石が貸し出された。
返さなければ破滅だと聞き、まほろは失われた霊石を捜すことに。
二人旅の中、狭霧の不器用な優しさや新しい出会いを通してまほろの孤独は癒えていく。
人間嫌いの狭霧ともやがて心を通わせるが、旅路の果てに思いがけない真実を知ってーー。
==登場人物==
まほろ
神野木家の下働き。
強欲な当主夫妻と一人娘に虐げられ、周囲の使用人からも見下されている。
捨て子の自分を拾ってもらった恩を返すため、懸命に働いている。
狭霧
神霊界の主に仕える神使。人間嫌い。
純真すぎるまほろのことは放っておけず、つい世話を焼いてしまう。
序章
第一章 神霊界まで通りゃんせ
第二章 むすんでひらいて心が動く
第三章 かけらを探してあの町この町
第四章 記憶を失くしたあの子はだあれ
第五章 空のかなたへ別れの歌を
終章