忘れさせてよ、後輩くん。(1)
幸運のイルカに出会えたら、片思いが動き出すー恋バナになると必ず話題になる噂話だ。一笑に付していた僕・白濱夏梅の目の前に、イルカの髪飾りの似合う少女・海果が現れる。髪飾りと噂話をこじつけるなんて…そう思っていた矢先、「ここにいれば夏梅くんに会えるかな、と思ってさ」大学進学で上京していた初恋の相手・広瀬春瑠先輩と再会し!?昔のように遊んだり、勉強をみてもらったりー長年の片思いが報われるような時間。「時々ね、キミが晴太郎先輩に見えるときがあるの」でも、動き出したのは僕の片思いだけじゃない。僕の亡き兄に恋していた春瑠先輩の片思いも、動き出してしまったんだー。
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夏休みが明け、僕は受験勉強に勤しみながら後輩・冬莉と過ごす時間が増えていた。朝は一緒に登校し、放課後はちゃんと勉強してるのかと差し入れを持ってくる。そんな他愛ない日々の中、いつものように体育館でピアノを弾いていた冬莉は文化祭の合唱伴奏を頼まれー「夏梅センパイの思い出に残ってほしいので、文化祭に出ます」冬莉はそれを引き受けることに。面倒見がよくて、僕が春瑠先輩と“陽炎の夏”に遭遇したときも支えてくれて。からかい甲斐のあるかわいい後輩…なのに、僕の記憶から、彼女との思い出がだんだん霞み始めていたー。“忘却の夏”が訪れ、もう一つの片想いが動き出す。 2022/07/01 発売
★次にくるライトノベル大賞2022 10代読者投票 第5位 20代読者投票 第3位 男性読者投票 第4位 ★このライトノベルがすごい!2023 総合新作 第6位 12月、僕は春瑠先輩が通う大学の推薦入試に落ちた。 海果は落ち込む僕をからかいながらも、「イルカの髪飾りをなくしたから一緒に探してほしい」と僕を街に連れ出す。 海果なりに元気づけようとしてくれているのかも? しかし、彼女が連れて行く場所はすでに閉店していたり、今は違う建物だったり……。 “以前にも海果とこの場所に来たような”不思議な感覚を覚える僕。 そんなとき、木更津に帰ってきていた春瑠先輩と再会しーー 今はもう海果が見えないという先輩から語られるのは、僕の初恋を揺るがす『違和』について。 「キミは今でも、わたしのことが好き?」 “幸運のイルカ”の真実と結末は。 2023/09/01 発売