午後4時。透明、ときどき声優2
わたし山田良菜は、超人気声優・香家佐紫苑の「替え玉」として活動中。
オーディションで主演を勝ち取ったアニメ映画の制作が動き出した。
しかし替え玉を知った監督の提案は、
「別の役者として、生きるべきではないですか?」
──二人の入れ替わりを、やめること。
わたしたちの秘密を公表したら、大騒ぎになるんじゃ……!?
そんな困惑を抱えつつ、わたしは新進気鋭のアイドル声優とラジオで共演。
紫苑も大作ゲームの収録で、舞台たたき上げの芝居と対峙することに。
それぞれの生き様を貫く声優たちとの出会いは、「わたしと紫苑」がどう在りたいのかを問いかける。
わたしたちの決断は、そしてその先で待つ未来は──!?
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午後4時。透明、ときどき声優1午後4時。透明、ときどき声優1
わたし、山田良菜は『無色透明』で地味な女子高生。 憧れの創作に挑んでも全く目立たず、自分は脇役だなんて諦めにも慣れてしまった。 そんな高3の春、突然目の前に現れたのはわたしと同じ声の超人気声優・香家佐紫苑! 彼女が言った、“世界中で良菜にしか頼めないこと”は……。 「わたしと──入れ替わってくれない?」 素人の私が、紫苑の替え玉声優に!? 絶対に無茶……! でも、やってみたいと思ってしまった。『わたしの声』が必要とされて、胸が高鳴った。 紫苑に変装して飛び込んだ、痺れるようなアニメ作りの世界。 意外にもそこには、透明なわたしにしかできない芝居があって──! 2023/06/23 発売