初歩魔法しか使わない謎の老魔法使いが旅をする1
冒険者パーティ“燃える魂”に、魔法使いの欠員が出る。彼らが臨時メンバーを探しにギルドを訪れ、唯一契約可能な冒険者として紹介されたのは、飄々として妙に雰囲気のある、けれど手頃な契約金の老魔法使い、ヘルートだった!
彼を仲間に加えたパーティは、ダンジョンに潜る。ヘルートは、血気盛んなメンバーたちに的確な助言をしながらも、なぜか戦いでは初歩魔法しか使わない。身のこなしは魔法使い離れしており、そしてローブの袖には、永久氷壁の欠片。パーティが窮地に陥り悲壮感が漂う中、ヘルートは緊張感のない声で言うーー面白くなってきましたな。
この老魔法使いは何者なのか? そして彼の旅の目的は? 霧の村、天災級の魔物、そして過去の英雄……ヘルートの秘密と、彼の旅の物語!
第一章 古代の王のダンジョンと老魔法使い
破格の契約金
アルケンのダンジョン
老魔法使いの実力
第二章 霧に閉ざされた村と老魔法使い
霧の村
晴らし子
未熟な老魔法使い
第三章 天災級の魔物と老魔法使い
魔物狩人サークス
魔獣シンラバルラ
第四章 かつての英雄と老魔法使い
ツェリルマンドの街
魔獣タイガリグラ
老魔法使いは怯まない
閑話 残された男と老魔法使い
閑話 暗い目をした戦士