ひとつ海のパラスアテナ2
アキともう一人の少女の疲労は、限界だった。『溺死』という不吉な二文字が、脳裏をよぎる。絶海で浮かんで待つ二人の周囲では、獲物の命が尽きるのを待つ猛禽の眼があった。少女が悟ったように言う。「助けは『絶対に』来ないんです。ここは…セントゥリア海峡ですから」絶望的な状況の中でー二人の「生きるための戦い」が、始まる。
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ひとつ海のパラスアテナひとつ海のパラスアテナ
透き通る蒼い海と、紺碧の空。世界の全てを二つの青が覆う時代、「アフター」。セイラー服を着た14歳の少女アキは、両親の形見・愛船パラス号で大海を渡り荷物を届ける『メッセンジャー』として暮らしていた。ある日、オウムガエルのキーちゃん船長を携えたアキは、航行中に恐るべき『白い嵐』に遭遇、船を失って浮島に取り残されてしまう。そこは、見渡す限り青い海が広がる孤立無援の島だった…。アキとキーちゃん船長の、『生きるための戦い』が始まる。第21回電撃小説大賞大賞受賞作。 2015/02/10 発売