アカイロ/ロマンス(4)
白州高校の理事である分家[ひじり]の当主、砂姫が国外より帰還した。景介たちは秋津依紗子に関する新たな情報を入手し、攻勢に転じることにする。しかし一方で、繁栄派の面々も各々の思惑の中、静かに動きを見せ始めていた。 枯葉の記憶に掛かる靄、枯葉に対する景介の思い、通夜子に揺らがされる棗。それぞれがそれぞれに問題を抱える中、依紗子の狂気は発露する。誘われた炎の中で、枯葉たちの見たものは──。 恋慕と鮮血の紡ぐ幻想物語(ロマンス)、佳境の第四幕。
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八年前、霧沢景介の姉は失踪した。 二年前、灰原吉乃の親友もまた、同じように忽然と姿を消した。 似通った傷を持つ吉乃に親近感を持っていた景介は、未だ塞ぎ込んだままの彼女に対して昔の自分を見、どうにかしてやりたいと思う。 しかしそんなふたりの前に、街に潜んでいた異物が姿を現す。 人間ではない 『一族』── その頭首の娘、枯葉。 彼女が連れてきたのは、運命か、それとも悲劇か? 藤原祐×椋本夏夜が贈る伝奇ファンタジー、ここに開幕! 2008/08/10 発売
学校帰りの夕方だった。景介はひとりの少女と出会う。 公園のフェンスの上に腰掛け、詩を口ずさむ娘。しかしその詩は、景介の姉、雅が昔よく諳んじていたものだった。少女は檻江と名乗った。繁栄派に属する[鈴鹿の一族]でありながら、景介に敵意を──いや、それどころか何の感情も示さない奇妙さで以て。 失踪した姉の手掛かりを掴むために檻江の後を追った景介だったが、辿り着いた先の病院で、一族にまつわる新たな秘密を知ることになる。 鈴鹿の一族が抱える病、そして闇。それらは歪に澱み、景介をも蝕もうと鎌首をもたげていた──。 追憶と鮮血の紡ぐ幻想伝奇(ロマンス)、第三幕! 2009/03/10 発売
自分が人間であることを敵味方すべてに欺いたまま、秋津依紗子は画策を巡らせていた。すべては愛しい人──霧沢景介を手に入れるため。 そんな依紗子の目的を知ってか知らずか、供子は彼女に告げる。「世界を歪めているのは、愛だ」と。 叛乱の夜の記憶を思い出してしまった枯葉を励まそうと奮闘する景介だったが、そんな彼らに依紗子と供子が忍び寄る。叛乱の真実、霧沢雅の行方。すべての真実が明かされた時、運命は残酷な牙を剥き──。 恋慕と鮮血の紡ぐ幻想物語、戦慄の第五幕。 2009/08/10 発売