おかえりの神様
奇跡も神通力もないけれど、ただ"そばにいてくれる"。
そんな神様との出会いがおりなす、ほっと優しい物語。
就職を機にひとりぼっちで上京した神谷千尋だが、その心は今にも折れそうだった。些細な不幸が積もり積もって、色々なことが空回り。誰かに相談したくても、今は深夜。周りを見回しても知り合いどころか人っこひとりもいない。
……でも狸ならいた。寂しさのあまり連れ帰ってしまったその狸、なんと人の言葉を喋りだし、おまけに自分は神様だと言い出して……??
『お嬢、いかがした? 何事かとそれがしに聞いて欲しそうな顔でござるな』
こうして一日の出来事を神様に聞かせる日課が誕生した。
"なんでも話せる相手がいる"、その温かさをあなたにお届けいたします。