姫咲アテナは実在しない。(1)
放課後、さびれた廃墟にいきなり現れたちょっと露出度が高めの美少女。なぜか僕の頭に、姫咲アテナという名前が浮かぶ。「実はわたし、異世界で勇者やってるんです。-いきなりこんなことを聞いても、信じてもらえないですよね」「いや、信じるよ。だって君は、僕が考えたキャラクターなんだから」「…はい?」「聞かなくても分かるだろう?僕の頭の中で起きてることなんだし」「いえ、わたしは実在する人間です」「そんなわけないよ。だって、現実の世界に君みたいにかわいい子がいるわけないじゃないか」「…えっ」そう。これは全て自分の妄想の出来事で、彼女は本当は実在していないんだー。