明治あやかし新聞 怠惰な記者の裏稼業(1)
ぞわっとして、ほろりと出来る。 怠惰な記者のあやかし謎解き譚。
日がな一日サロンで惰眠を貪る日陽新聞社の記者、内藤久馬。そんな彼も好奇心が疼けば記事を書く。傍に用意するのは、怪談奇談に妖怪本。彼が書く記事は全て妖怪にまつわるものなのだ。
ある春の日、少女が新聞社へ乗り込んできた。彼女の名は井上香澄。久馬の記事が原因で、友人が奉公先を追い出されたのだという。冷たい対応の久馬に代わり香澄に声を掛けたのは、妖美な男・芝浦艶煙。曰く、むしろ妖怪記事は人助けになっており、友人は貞操の危機を免れたのだというが!?