0能者ミナト<11>
殺生石ーそれは凶悪な毒の大気を発し命あるものを死に追いやる、呪わしい巨石。かつて沙耶とユウキを窮地に陥れたそれが、いま新たに発見された。現地に赴いた理彩子を追う沙耶とユウキ、渋々それについて行った湊。そんな三人が捕われたのは、どちらを向いても脱出不能の、まさに無限回廊と化した空間だった。殺生石、そして九尾の狐の気配に満ちた閉鎖空間から脱出する術は?究極の攻撃を放つ九尾の狐を倒す術は、果たして存在するのかー。
関連ラノベ
江戸時代ー寛延年間に村人すべてを殺戮したという怪異「鏖」。長く封じられていたはずのそれが、眠りから覚めた。総本山、御蔭神道の名だたる手練が犠牲となり、関係者を震撼させていた。へそ曲がりで有名な九条湊の仕事を選ぶ基準は、「面白いかどうか」だという。人を跡形もなく吹き飛ばす、前代未聞の怪異ーだが湊の腰は重い。皮肉げに「解決してみせるが、期待はするな」と不可解な言葉を放つ湊。実はこの事件には恐るべき秘密が潜んでいた。 2011/06/25 発売
死なない死刑囚を殺して欲しい。まるで、矛盾しているかのような奇妙な依頼。対面を果たした死刑囚は物静かで端整な面立ちの青年だった。だが、その本質を知れば慄然とする。不死者ゆえか、死を愛する殺戮者。しかも、あらゆる方法をもってしても蘇るというのだ。自分の死が楽しめないから殺すのだとうそぶく青年。いかなる怪異が不死をもたらしたのか、本当に殺すことはできないのか?異端者、湊の知性がその謎に挑む。 2011/12/26 発売
豪華客船に現れる船幽霊。柄杓で水を撒くだけの時代錯誤な怪異に巨大な船を沈められる訳がない。湊が依頼を受けたのは言うまでもなくークルーズを楽しむためだった。ユウキと沙耶は湊に見切りをつけ、早々に事件を解決。これで大っぴらに遊べるとばかりに、湊は泥酔しカジノで暴れボヤ騒ぎまで起こす始末。だが、怪異は終わっていなかった。巨体を誇る豪華客船が傾き始めたのだ。裏に潜む本物の怪異の仕業か?転覆寸前の極限状況の中、湊の科学的推理が始まる。 2012/07/25 発売
完璧な降霊術で人を集める『彼岸の会』。天性の法力を持つユウキは直感し、降霊術がまやかしだと糾弾する。だが、主催者の士道骸に手玉に取られてしまうのだった。この男、総本山から野に下った切れ者で、まったく隙がない。かくして、業界ではいかさま師と揶揄される湊の出番である。0能者対詐欺師の稀に見る攻防は、騙し合いの熾烈な駆け引きへと発展していく。霊を降ろしている様子はないのに、霊と完璧に対話してみせる。その矛盾を湊はどう解体してみせるのか。 2012/12/25 発売
怪異が蠢く禁断の館。その最奥にいたものとはー元気に泣く人間の赤子だった。赤子は立派な少年と少女に成長する。だが、そのささやかな平穏は破られる。赤子が怪異の子だという資料の流出。二人は追い詰められていく。かくして退屈な依頼に殺されそうだった湊の登場である。なぜ怪異の館に赤子はいたのか。二人は本当に人間なのか。不可思議な事象に湊の知性は驚くべき論理的解決を見出していく。だが見過ごした一つの可能性。それが恐るべき事態を引き起こすのだった! 2014/08/23 発売
怪異を知る者でもにわかには信じがたい、神話上の存在。だが、それはいた。身長2000メートル、超弩級の怪異。ダイダラボッチの出現は終末すら予感させるものだった。そのひと足で町が壊滅する。動く天災に国家機関も動きだす。防衛省幹部、幕僚らが居並ぶ席に、ラフな青年がひとり。場違いな雰囲気をこれ見よがしに発散する湊である。だが、湊の驚くべき発案に、周囲の目は変わる。それは神話を現代物理学で解明する、神への挑戦とも言えるものだった。 2015/09/24 発売
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