さんかくのアステリズム 俺を置いて大人になった幼馴染の代わりに、隣にいるのは同い年になった妹分(1)
とある病により、身体の成長が止まったまま眠り続けることになった高校生・東雲結弦。
七年経ってようやく目を覚ました彼が直面したのは、自身を置いて成長した周囲の姿だった。
両片思いだった幼馴染・天河千惺は七歳年上の教師へ。
子供だと思っていた妹分・天河希空は同い年のクラスメイトに。
七年という長い時間は結弦と千惺を遠く隔て、叶わぬ初恋を胸に抱き二人を見ていることしかできなかった希空にチャンスを与え……
「わたしは兄さんのことが世界で一番好きです」
美しく成長した希空の告白をきっかけに、止まっていた三人の関係が形を変えて再び動き出す。
「たとえ、先生になってでも、あなたと一緒に高校生活を最後まで過ごしてみたかった。今度は一緒に卒業しましょう。ね、ユヅくん」
「兄さん、今はわたしがあなたと同い年の女の子なんだよ。姉さんを見るそのまなざしと同じ温度で、今のわたしをちゃんと見てよ」
これは、三角の形をした星のような恋の話。
プロローグ あの星に、わたしの指は届かない。
第一話 兄さんが好きなの、と彼女は言った。
第二話 遠くの惺と近くの空と
第三話 私の絶望でこのまま世界が壊れてしまえばいいのに
第四話 今、恋をしている。
エピローグ 始まりを告げる鐘の音