後宮の弔妃(1)
中津国の後宮で、一人の貴妃が二〇ヶ月ものあいだ身籠り続けていた。亡き皇兄の呪いと噂される怪異を鎮めるため、若き皇帝廉新はある人物のもとへ。
それは三〇〇年の時を生きる伝説の「弔妃」。歴代皇帝に仕え、その神秘性から畏怖され秘されてきた不老不死であり、皇帝さえも意のままにできない特別な妃でーー。
自身にかけられた呪いを解くため医科学に精通する弔妃は、その圧倒的知識で宮廷内の怪事件を弔ってきたという。謎を通し二人が出会う時、数奇な運命が動きだす。
一話 同胞の兄弟
二話 あやかしの虎
三話 呪いの美人画
四話 母の日記